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経済事情

この章で覚えておきたいこと

経済事情で先に見る判断軸を、水準・振れ幅・段差・順位・プラスマイナスで整理した手書き風図解

基本知識

まずは統計の見方を固定する

折れ線グラフ、円グラフ、表、寄与度で見る場所を切り替える手書き風図解

経済事情の図表問題では、統計名を先に思い出そうとするより、何を測っている図かを見分ける方が先です。統計の順位や最大区分は年度で変わるため、ここでは固定してよい読解手順と、出題時点に依存する典型パターンを分けます。特に、次の5つの軸で見ると候補を早く絞れます。

| 見る軸 | 代表例 | 判定のしかた | | --- | --- | --- | | 水準 | 労働生産性、債務残高対GDP比、世界GDP比 | どの国・系列が突出して高いかを見る | | 振れ幅 | 法人税、投資、営業利益、四半期成長率 | 景気に敏感な系列ほど上下が大きい | | 段差 | 消費税、政策金利、国債保有 | 税率改定や政策変更の年に注目する | | 符号 | 輸出入バランス、需要寄与度 | プラスかマイナスかで大きく絞る | | 構成比 | 業種別GDP、金融資産、直接投資残高 | 最大区分を先に確定する |

折れ線グラフなら「水準」「振れ幅」「段差」、円グラフなら「最大区分」、表なら「順位」が基本です。細かい数字が思い出せなくても、図の形だけで解ける問題が多いです。

税収は「段差」と「振れ幅」で読む

消費税、所得税、法人税の線の特徴を比較した手書き風図解

経済事情で最も頻出なのが、主要3税の見分けです。2025年の出題時点でも、消費税、所得税、法人税の動き方を読ませています。

| 税目 | 図での特徴 | 背景 | | --- | --- | --- | | 消費税 | 税率改定の年に段差が出やすい | 2014年、2019年の税率引上げが手掛かりです | | 所得税 | 中位の水準で比較的なだらか | 雇用や賃金に連動します | | 法人税 | 景気後退で大きく落ち込みやすい | 企業収益に強く連動します |

この分野では、「相続税」を主要3税に混ぜるひっかけにも注意します。主要3税は 消費税、所得税、法人税 です。

また、一般会計歳入の問題では、税収、公債金収入、その他収入の構成も問われます。ここでは比率の細かい暗記よりも、「税収と公債金収入が拮抗する年がある」「極端な比率の選択肢は怪しい」といった感覚が重要です。

雇用統計は水準差と増え方の違いで読む

女性非正規、女性正規、男性非正規の水準差と増え方を整理した手書き風図解

2025年の出題時点では、男女別・雇用形態別の雇用者数の推移が出ました。男性正規雇用は別枠で高い水準として描かれることが多いため、残る系列の見分けが勝負になります。

非正規雇用は、リーマンショックやコロナ禍のような需要急減局面で減少しやすく、雇用調整弁として表れやすいのも大きな特徴です。線の高さだけでなく、不況期の落ち込み方も見ます。

国際比較は「最上位」「最下位」「交差」を押さえる

国際比較の折れ線で最上位、最下位、交差を見る手書き風図解

2024年の出題時点では、1人当たり労働生産性、消費者物価の国際比較が出ました。こうした問題では、全系列を同時に読むより、最初に強い特徴を固定した方が早いです。

近年出題での労働生産性の典型パターンは次のとおりです。

消費者物価でも同じで、2024年出題時点では 米国が最も大きく上昇、ユーロ圏がその次、日本は低位 という並びが問われました。線の交差や急上昇の有無が判断材料になります。

円グラフは最大区分から決める

業種別GDPと対内直接投資残高の円グラフで最大区分を先に決める手書き風図解

経済事情では、円グラフの構成比問題も頻出です。2023年度第2回は業種別GDP、2025年は対内直接投資残高が出ました。

業種別GDPでは、近年出題時点では、注記で複数業種を合算した サービス業 が最大になりやすいです。製造業は大きいですが、合算されたサービス業には及ばないことが多いです。したがって、最大区分をサービス業と仮置きすると、残りの製造業と卸売・小売業を消去法で読めます。

対内直接投資残高では、単年の投資額ではなく、海外から日本への投資が積み上がった ストック を見ています。2025年出題時点では 金融・保険業 が最大区分になりやすく、それが決め手でした。製造業の大型工場を連想しすぎると外しやすいので注意します。

貿易と需要項目はプラス・マイナスで切る

品目別輸出入バランスと需要項目寄与度をプラスマイナスで読む手書き風図解

品目別輸出入バランスでは、まず輸入超過か輸出超過かを見ます。2023年度第2回第1問のような問題では、次の知識がそのまま使えます。

需要項目の寄与度や成長率では、ゼロより上か下かを先に確認します。

| 需要項目 | 典型的な見え方 | | --- | --- | | 投資 | 景気に敏感で振れ幅が大きい | | 消費 | 構成比が大きく、寄与度も大きくなりやすい | | 政府支出・公需 | 比較的安定し、急変しにくい |

このため、振れ幅最大の系列を政府支出にしてしまう選択肢は疑うべきです。

ストックとフローの切り分けを外さない

フローとストックの違いを、期間中の動きと累積残高で対比した手書き風図解

経済事情では、統計の意味を問う問題も混ざります。ここで最も重要なのが、ストックとフローの区別です。

たとえば、政府債務残高対GDP比は、単年の赤字額ではなく、これまで積み上がった債務をGDPで割った ストック指標 です。対内直接投資残高も、ある年の投資額ではなく累積です。この切り分けを誤ると、図表の意味そのものを取り違えます。

この章のまとめ

経済事情の最終チェック項目とフロー・ストックの違いを整理した手書き風図解

毎年更新確認が必要な項目

統計問題では、読み方そのものは固定できますが、順位や最大区分は固定暗記にしません。少なくとも次の項目は、受験年度の直近白書・公表統計・過去問出題時点を確認します。

| 項目 | 固定してよいこと | 年度確認が必要なこと | | --- | --- | --- | | 労働生産性の国際比較 | 水準・交差・順位を見る | 日本、韓国、OECD平均などの上下関係 | | 消費者物価の国際比較 | 急上昇・低位・中位を読む | 米国、ユーロ圏、日本の並び | | 業種別GDP | 最大区分から消去する | サービス業など合算区分の扱い | | 対内直接投資残高 | フローではなくストックで読む | 最大業種と構成比 | | 税収・雇用系列 | 段差・振れ幅・水準差を見る | 最新年度の水準と改定影響 |

一次試験過去問での出方

2023年度第2回第1問では品目別輸出入バランス、第2問では業種別GDPの構成比が出題され、輸入超過・輸出超過や最大区分の見極めが問われました。

2024年第2問では1人当たり労働生産性、第3問ではコア消費者物価の国際比較が出題され、水準差と線の交差を読む力が問われました。

2025年第1問では主要3税の推移、第2問では男女別・雇用形態別雇用者数、第3問では対内直接投資残高の業種別構成が出題され、税収の段差、雇用系列の水準差、円グラフの最大区分がそのまま判定軸になりました。

古い年度でも、政府債務残高対GDP比、家計金融資産、家計貯蓄率、政策金利、景気後退期の需要項目寄与度など、図表の読み方を問う問題が繰り返し出ています。年度別の数値暗記よりも、系列の典型的な形をまとめて押さえる方が得点につながります。

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