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会計帳簿

この章で覚えておきたいこと

主要簿、補助簿、個別転記、合計転記、商品有高帳、残高調整を会計帳簿の要点としてまとめた図解

基本知識

主要簿と補助簿の役割

主要簿と補助簿を通じて取引が試算表へ整理される流れ

会計帳簿は、取引を記録して財務諸表へつなげるための道筋です。まず全体像を押さえることが重要です。

学習上は、次の流れで理解すると整理しやすいです。

1. 取引を仕訳帳または各種伝票・特殊仕訳帳へ記録します。 2. その内容を総勘定元帳へ転記します。 3. 補助簿で売掛金や商品などの内訳を確認します。 4. 総勘定元帳の残高を集計して試算表を作ります。

試験では、帳簿の名前だけでなく、「どこからどこへ転記するか」を聞かれます。帳簿名の暗記で終わらせず、記録の流れで押さえることが大切です。

単一仕訳帳制と特殊仕訳帳制

単一仕訳帳制と特殊仕訳帳制の転記方法の違い

帳簿組織は、普通仕訳帳だけを使う形と、同種取引をまとめる形で整理します。

ここでのひっかけは次のとおりです。

2010年と2014年の過去問では、この「個別転記か合計転記か」「普通仕訳帳は必要か」がそのまま問われています。

補助簿と商品有高帳の見方

補助簿と商品有高帳で内訳や在庫数量と金額を管理する図解

補助簿は、主要簿だけでは把握しにくい内訳を管理するために使います。代表的なものは次のとおりです。

このうち商品有高帳は、知識問題だけでなく計算問題でも頻出です。特に重要なのは次の点です。

商品有高帳は補助簿ですが、試験では売上原価、次月繰越高、売上総利益まで計算させることがあります。帳簿の名前を覚えるだけでは不十分で、残高欄を自分で動かせるようにしておく必要があります。

先入先出法による売上原価と次月繰越高

先入先出法で古い在庫層から払出し売上原価と次月繰越高を求める図解

先入先出法では、最も古い在庫から先に払い出したものとみなす ので、払出のたびに在庫層を崩していきます。

計算の手順は次の順序で固定すると安定します。

1. 前月繰越、当月仕入、仕入返品、売上を日付順に並べます。 2. 仕入返品は、返品した仕入ロットの数量と金額を減らします。 3. 売上が出たら、古い在庫層から順に数量を充当します。 4. 払出金額を集計して売上原価を出します。 5. 残った在庫層から次月繰越高を求めます。

この論点では、別の評価方法と混同しやすいです。

2008年と2010年の過去問は、売上原価だけでなく次月繰越高まで一体で問う典型例です。売上ごとに「どの層が何個減ったか」をメモする習慣が有効です。

売上総利益を求めるときの注意点

売上総利益計算で仕入返品と売上値引の修正対象を分ける図解

2012年の過去問では、商品有高帳に仕入帳と売上帳を組み合わせて、売上総利益まで計算させています。ここでは売上側の修正と在庫側の修正を切り分けることが重要です。

つまり、同じ「金額が減る処理」でも意味が違います。

この違いを曖昧にすると、数量まで減らしてしまい、売上原価も売上総利益もずれてしまいます。問題文に「返品」「値引」「戻り」が出たら、まず在庫に影響するのか、売上高だけを直すのかを判定してください。

伝票式会計と3伝票制

伝票式会計と3伝票制で入金伝票・出金伝票・振替伝票を使い分ける図解

伝票式会計は、仕訳帳の代わりに伝票を用いて記帳を分担する仕組みです。2013年と2018年の過去問では、仕組みの理解と残高計算の両方が問われています。

伝票式会計の基本は次のとおりです。

3伝票制では、次の役割分担を押さえます。

複合仕訳の問題では、次の順で考えると整理できます。

1. まず取引全体の本来の仕訳を作ります。 2. そのうち入金伝票または出金伝票ですでに処理した部分を確認します。 3. 残った部分だけを振替伝票に書きます。

2018年の過去問で重要だったのは、入金伝票で処理した現金を振替伝票にもう一度書かないことです。現金を二重計上しない、という視点を常に持ってください。

当座預金勘定の調整

当座預金調整で帳簿側の修正項目と銀行側の時間差を分ける図解

2022年の過去問では、当座預金勘定残高と銀行残高証明書の不一致をどう調整するかが問われました。ここでは、どちらの残高を求めるのか を最初に確定することがすべてです。

帳簿側の調整後残高を求めるときは、帳簿未記入の事項だけを反映します。

混乱しやすいので、次のように整理するとよいです。

この論点は、用語暗記だけでは解けません。「帳簿側の修正項目」と「銀行側の整理項目」を分けて考えることが得点のポイントです。

この章のまとめ

会計帳簿問題で記録の流れ、転記方法、在庫層、売上修正、伝票、残高調整を確認するまとめ図

一次試験過去問での出方

2008年、2010年、2012年は商品有高帳と先入先出法を使って、売上原価、次月繰越高、売上総利益を計算させています。2010年と2014年は主要簿、補助簿、特殊仕訳帳、総勘定元帳への転記関係が中心です。2013年は伝票式会計の基本運用と伝票からの残高計算、2018年は3伝票制の振替伝票作成、2022年は当座預金勘定の調整が出題されました。知識問題と計算問題が混在するため、帳簿の名称暗記だけで終わらせず、記録の流れと残高の動きを必ず手で追えるようにしておく必要があります。

引用元