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先物取引

この章で覚えておきたいこと

先物取引で最初に押さえる制度差、為替ヘッジ方向、ネット損益の要点をまとめた図解

基本知識

先物取引と先渡取引の違い

先物取引と先渡取引の制度差を取引所取引と相対取引で比較する図解

先物取引も先渡取引も、将来の価格を今決めて価格変動リスクを抑える取引です。ただし、制度はかなり異なります。

試験では、次のように切り分けると安定します。

2012年や2022年、2025年の過去問では、この切り分け自体がそのまま問われています。

先物取引の制度で狙われる語句

証拠金、日々値洗い、反対売買、差金決済、限月を先物取引の制度語句として整理する図解

先物取引の制度問題では、用語の意味を正しく結び付けられるかが重要です。

よくある誤りも押さえてください。

為替ヘッジの方向

外貨を受け取る側は外貨売り、外貨を支払う側は外貨買いでヘッジする方向の図解

為替予約でも通貨先物でも、最初に確認するのは「将来どちらの通貨を必要とするか」です。

典型例は次のとおりです。

2013年の過去問は、この方向をそのまま問う問題でした。輸入企業なのにドル売り予約を選ぶ選択肢は、毎年のように出る典型的なひっかけです。

為替予約の損得比較

予約レートと将来直物レートで予約ありと予約なしの円貨額を比較する図解

為替予約をしたときの有利不利は、現在の直物レートではなく、予約レートと将来の直物レートで比べます。

外貨建債権をヘッジしている場合は、次の順で考えます。

1. 予約した場合の円貨受取額を求めます。 2. 予約しなかった場合の円貨受取額を、将来の直物レートで求めます。 3. その差を比べます。

外貨建債務をヘッジしている場合も同じで、比較対象は常に「予約あり」と「予約なしの将来直物決済」です。

覚え方は単純です。

2008年の過去問では、1ドル104円でドル売り予約した債権について、将来直物が108円なら予約しない方が有利、103円なら予約した方が有利、という比較が問われました。2023年度第1回の過去問では、これを支払側に置き換えて、1ドル131円のドル買い予約が円安局面では支払額を減らし、円高局面では支払額を増やすことが問われました。

通貨先物とネット損益の考え方

本体取引の為替差損益と通貨先物などのヘッジ取引損益を分けてネット損益へ合算する図解

通貨先物は、通貨を原資産とする先物取引です。取引所取引なので、証拠金、日々の値洗い、反対売買が前提になります。

損益計算では、まず方向を確認します。

代表的な式は次のとおりです。

ただし、試験ではデリバティブ単体では終わりません。本体取引と合わせたネット損益を問うことが多いです。

外貨建売掛金なら、まず本体取引の為替差損益を求めます。

外貨建買掛金や輸入代金の支払側では、符号が逆になります。

つまり、円安は外貨受取側には有利ですが、外貨支払側には不利です。受取側は外貨売り、支払側は外貨買いでヘッジする、という方向と合わせて覚えます。

そのうえで、為替予約または通貨先物の損益を足し合わせます。

2010年の過去問では、この合算がそのまま問われました。

ここで重要なのは、途中で反対売買したら、その時点で先物の損益は確定することです。その後の相場変動は本体取引だけに残ります。2010年の設問2は、まさにこの点を狙っています。

先物価格と現物価格、直先差額

先物価格と現物価格が満期へ近づく関係と直先差額を予約締結日のレート差で見る図解

2022年の過去問では、先物価格と現物価格の差は満期までの長さと無関係ではないことも問われました。満期が近づくにつれて、先物価格と現物価格は一般に近づいていきます。

また、2018年の過去問では直先差額が狙われています。外貨建取引のあとで為替予約を付した場合は、取引発生日のレートと予約締結日のレートを混同しやすいです。

直先差額は次で求めます。

ここで使うのは、予約締結日の直物レートです。取引発生日の直物レートではありません。2018年の問題では、100円と106円を直接比べて6万円とする誤答を避けられるかがポイントでした。

この章のまとめ

先物取引の制度語句、ヘッジ方向、予約レート比較、ネット損益、直先差額を確認する図解

一次試験過去問での出方

2008年 第21問では、外貨建債権にドル売り為替予約を付したときの有利不利が問われました。予約レートと将来直物レートを比較する基本問題です。

2010年 第18問では、本体取引の為替差損益と、為替予約または通貨先物の損益を合算するネット損益計算が問われました。途中の反対売買でヘッジが切れる点も重要です。

2012年 第22問、2017年 第21問、2022年 第20問、2025年 第23問では、先物取引と先渡取引の制度差が繰り返し出題されています。取引所、標準化、証拠金、日々の値洗い、限月の語で整理できるようにしておくべきです。

2013年 第22問では、輸入代金の支払に対してドル買い予約を選べるかが問われました。支払側は外貨買い、受取側は外貨売りという基本方向の確認です。

2018年 第19問では、取引発生後に為替予約を付した場合の直先差額が問われました。予約締結日の直物レートを基準にする点が頻出のひっかけです。

2023年度 第1回 第23問では、外貨建支払に対する為替予約の損得比較が出題されました。円安なら予約が有利、円高なら予約が不利になる支払側の計算を押さえておく必要があります。