財務・会計
補助リスクの種類
市場リスク、信用リスク、為替リスク、金利リスクを短く整理する。
この章で覚えておきたいこと
- 市場リスク は、市場価格や市場金利、為替レートなどの変動で損失が生じるリスクです。
- 為替リスク と 金利リスク は、市場リスクの代表例です。
- 信用リスク は、相手方の信用力低下や債務不履行で損失が生じるリスクです。
- 流動性リスク は、売りたいときに売れない、必要な資金を調達できないといったリスクです。
- 問題では用語を暗記するより、損失の原因が何か で分類すると判断しやすくなります。
基本知識
市場リスクとその代表例
市場リスクは、市場で決まる数値が動くことで損益や資産価値が変わるリスクです。財務・会計では、株価、金利、為替レート、商品価格などが典型例です。
この章でよく出るのは、為替リスクと金利リスクです。為替予約や通貨オプションは為替リスクの管理、金利スワップは金利リスクの管理に使われます。したがって、デリバティブの学習でも、最初に市場リスクの意味を押さえる必要があります。
為替リスクと金利リスク
為替リスクは、外貨建取引で為替レートが変動し、円換算した支払額や受取額が変わるリスクです。輸入企業では円安が不利、輸出企業では円高が不利になりやすいです。
金利リスクは、金利変動によって債券価格や資金調達コストが変わるリスクです。特に債券は、一般に市場金利が上がると価格が下がり、市場金利が下がると価格が上がります。変動金利借入では、将来の利息負担が変わる点も金利リスクとして見ます。
信用リスクと流動性リスク
信用リスクは、貸付先や取引先が約束どおりに支払えないことから損失が生じるリスクです。貸付金の価値が下がる、利息や元本の返済が遅れる、回収不能になる、といった説明が出たら信用リスクを疑います。
流動性リスクは、価格変動そのものではなく、必要なときに取引や資金調達ができないことに本質があります。売りたい資産に買い手がつかない、市場で需給が合わない、借換えできず資金繰りに失敗する、といった表現が典型です。
過去問での判断軸
過去問では、為替リスクと金利リスクを市場リスクに含めるか、信用リスクや流動性リスクと混同しないかが問われています。2017年は流動性リスクの定義、2023年度第1回は市場リスクに当たる組み合わせの判定でした。
解くときは、選択肢の主語ではなく原因を見ます。為替レートや金利の変動なら市場リスク、相手方の財務悪化なら信用リスク、売買不成立や資金繰り不能なら流動性リスクです。この切り分けだけで正答できる問題が多いです。
この章のまとめ
- 市場リスクは価格やレートの変動によるリスクであり、為替リスクと金利リスクを含みます。
- 信用リスクは相手方の支払不能、流動性リスクは売買不能や資金調達不能が原因です。
- 債券が出てきても、金利変動で価格が動く話 なのか、発行体が返済できない話 なのかで分類が変わります。
- 「市場リスクを選べ」と言われたら、為替と金利を残し、信用と流動性を外すのが基本です。
一次試験過去問での出方
2017年第22問では、流動性リスクを為替リスク、信用リスク、金利リスクと区別できるかが問われました。2023年度第1回第22問では、市場リスクに当たるものとして、為替レートの変動による損益と、金利変動による債券価格の変動を選ばせる形で出題されました。どちらも計算ではなく、損失の原因による分類ができるかが得点ポイントです。