財務・会計
補助その他
資金調達と配当政策の周辺論点を短く扱う。
金利と資金調達の周辺論点
この章で覚えておきたいこと
このトピックは補助論点ですが、資本コストや借入条件を読む土台になるので、金利の基本語を取り違えないようにします。
- 固定金利 は将来の利払い額を見通しやすいです。
- 変動金利 は市場金利の変化を受けます。
- 実質金利 は、おおむね 名目金利 - 期待インフレ率 で考えます。
- 短期金利 と 長期金利 は必ずしも同じ方向に動きません。
細かい金融理論を深追いするより、選択肢の断定表現を切れることを優先します。
基本知識
固定金利と変動金利
固定金利は、契約時点で将来の利率が決まる借入です。金利上昇局面では有利になりやすい一方、金利低下局面では変動金利より不利になることがあります。
変動金利は、市場金利などに応じて利率が見直される借入です。金利低下局面では有利になる可能性がありますが、金利上昇局面では支払利息が増えます。
したがって、固定金利が常に有利 という言い方は誤りです。
名目金利と実質金利
名目金利は、物価変動を調整する前の表示上の金利です。実質金利は、物価上昇の影響を考慮した金利です。
近似式は、
実質金利 = 名目金利 - 期待インフレ率
です。試験では、この引き算の向きが逆の選択肢が典型的な誤答肢になります。
短期金利と長期金利
短期金利は、期間の短い資金取引に対応する金利です。長期金利は、長期の資金取引に対応する金利です。通常は長期金利の方が高くなりやすいですが、将来の景気悪化や利下げ期待が強いと、短期金利が長期金利を上回ることもあります。
したがって、長期金利は必ず短期金利より高い という断定も誤りです。
この章のまとめ
この補助論点では、金利の絶対値を計算するより、用語の意味を正しく切り分けられることが大切です。
- 固定金利は安定、変動金利は市場連動です。
- 実質金利は名目金利から期待インフレ率を引きます。
- 長期金利と短期金利の大小関係は固定ではありません。
資本コストや借入条件の問題で迷ったときに、金利の意味を正しく読めるようにしておくための基礎論点と考えます。
一次試験過去問での出方
この周辺論点は、2019年に金利の基本語を正誤判定させる形で出題されました。
固定金利が常に有利とする断定、名目金利と実質金利の式の逆転、長短金利の関係を必ずと決めつける記述が誤答肢になりやすいです。
出題頻度は高くありませんが、短時間で確実に拾いたい論点です。