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その他財務・会計に関する事項

この章で覚えておきたいこと

マイナス金利で最初に押さえる意味、直接対象、借入金利低下、誤答注意をまとめた図解

このトピックは出題実績が少ないため、論点を広げすぎず、過去問で実際に問われた範囲を確実に押さえることが重要です。2020年度第16問では、マイナス金利の意味、政策の直接の対象、企業金融への波及経路、金融緩和としての目的が問われました。

なお、日本銀行は2024年3月に金融政策の枠組みを見直し、マイナス金利政策を終了しています。このページでは、2020年度第16問の出題時点の制度理解として扱います。現行政策を問う問題では、出題時点の記述か現行制度の記述かを必ず切り分けてください。

基本知識

マイナス金利の基本的な意味

マイナス金利では預け手が負担し、資金を貸出や投資へ動かすことを示す図解

マイナス金利は、通常なら利息を受け取る立場の資金の預け手が、逆にコストを負担する状態を指します。一次試験では、まずこの金利の符号が逆転する状態を正しく理解しているかが出発点になります。

ここで大切なのは、単に「珍しい金利水準」だと覚えるのではなく、資金をそのまま持ち続けるより、貸出や投資に回した方がよい方向へ誘導する政策だと理解することです。したがって、マイナス金利を景気を冷やす政策として読むのは誤りです。

日本で直接の対象になるもの

日本のマイナス金利政策の直接対象は金融機関の日銀当座預金の一部であることを示す図解

出題時点の日本でいうマイナス金利政策は、日本銀行が金融機関から預かる当座預金の一部に直接適用されるものでした。ここは、家計の普通預金や企業の預金全般に一律でマイナス金利がかかるわけではない、という点が重要です。

試験では、政策の名前から対象を広く取りすぎる選択肢が出やすいです。そこで、次のように切り分けます。

企業金融への波及経路

マイナス金利政策が借入金利低下を通じて企業の資金調達と投資を後押しする流れを示す図解

マイナス金利政策の効果は、直接対象だけで終わりません。金融機関が資金を日銀に滞留させる誘因が弱まることで、市場へ資金が流れやすくなり、結果として借入金利の低下が期待されます。借入金利が下がれば、企業は資金調達しやすくなり、設備投資や事業活動を進めやすくなります。

流れを短く整理すると、次の順番です。

1. 日銀当座預金の一部にマイナス金利がかかる。 2. 金融機関が資金をそのまま置いておく誘因が弱まる。 3. 市場金利や借入金利の低下が期待される。 4. 企業の資金調達がしやすくなり、投資や需要の下支えにつながる。

この流れを逆に読ませる選択肢は誤りです。たとえば「借入金利が上がって資金調達が難しくなる」といった記述は、金融緩和の方向と合いません。

試験での誤答パターン

マイナス金利の選択肢で政策目的や対象や波及経路を取り違えないための誤答パターン図解

この論点は知識量よりも、因果関係の向きを正しく判定できるかで差がつきます。特に、次の誤り方を避けることが重要です。

この章のまとめ

マイナス金利の問題で適切不適切、定義対象効果、金融緩和の流れを確認する図解

マイナス金利の論点では、細かな制度史よりも、政策目的、直接の対象、企業への波及経路を一続きで説明できることが大切です。問題を解くときは、次の順で確認すると判断が安定します。

1. 設問が「適切」か「不適切」かを先に確認します。 2. 選択肢が、定義、政策対象、政策効果のどこを述べているかを切り分けます。 3. 金融緩和として自然な流れかどうかを見ます。

最後に再確認したいポイントは次のとおりです。

一次試験過去問での出方

- 2020年 第16問: 金利に関する記述のうち最も不適切なものを選ぶ問題として出題されました。

- 選択肢では、マイナス金利の一般的な意味、日本での政策対象、借入金利低下による企業金融への影響、金融緩和としての目的が問われました。

- 正解は、「マイナス金利によるデフレーションに備えて価格を見直す」という趣旨の選択肢で、金融緩和の目的と因果関係を逆にしている点が誤りでした。

引用元