naritai.app

マーケティング・コンセプト

この章で覚えておきたいこと

マーケティング・コンセプトの販売志向・顧客志向・社会志向を比較する図解

マーケティング・コンセプトは、企業が市場に向き合うときの基本的な考え方です。一次試験では、細かな歴史を暗記するよりも、選択肢の表現がどの志向を指しているかを見抜く力が問われます。

基本知識

マーケティング・コンセプトは売り込みではない

売り込み中心と顧客理解からの価値設計を比較する図解

マーケティング・コンセプトは、企業活動を「作ったものをどう売るか」ではなく、「誰にどのような価値を提供するか」から組み立てる考え方です。

よく問われる志向は、次のように区別します。

良い製品を作れば売れるという発想です。製品性能や品質を重視します。ただし、一次試験では「製品志向は常に不要」と断定する選択肢に注意します。技術やシーズが革新的な製品の出発点になることもあります。

売り込み、販売努力、販売促進を中心に売上を伸ばそうとする発想です。顧客理解よりも「売る活動」そのものに焦点があります。顧客と競合の両方を意識して市場に対応する考え方は、販売志向ではなく市場志向に近いです。

顧客ニーズを理解し、競合より効果的・効率的に顧客満足を提供する発想です。ただし、顧客アンケートで上位の項目だけを見て、少数派のニーズを一律に無視することは顧客志向とはいえません。

顧客満足と企業利益に加え、消費者や社会の長期的利益まで考える発想です。環境、健康、安全、地域社会への影響を考慮しながら、長期的な信頼やブランド価値を築く考え方です。

ドラッカーの「Marketing is to make selling unnecessary」という趣旨は、不用品を売ることではありません。顧客を深く理解し、顧客に合った価値を設計することで、過度な売り込みに頼らない状態を目指すという意味です。

4Pと4Cは売り手目線と買い手目線で対応する

4Pと4Cを売り手目線と買い手目線で対応させる図解

マーケティング・ミックスの4Pは、売り手側から見たマーケティング・ツールです。これを買い手側から見ると4Cとして整理できます。

過去問では、PlaceをCustomer costに対応させるような入れ替えが出ます。PlaceはConvenience、PriceはCostと押さえます。

社会志向の周辺用語は射程で分ける

ソサイエタル・ソーシャル・サステイナブル・コーズリレーテッドを区別する図解

社会志向の論点では、「ソーシャル」「ソサイエタル」「サステイナブル」など似た語が並びます。意味をまとめて覚えるのではなく、何を目的にしているかで分けます。

標的市場のニーズ、欲求、利益を正しく判断し、顧客満足を他社より効果的・効率的に提供しながら、消費者と社会の幸福も維持・向上させる考え方です。企業利益、顧客利益、社会的利益の調和が軸です。

禁煙、環境保護、健康増進など、社会的課題の解決や望ましい行動変容のためにマーケティング手法を応用する考え方です。SNSを活用した顧客関係づくりは、ソーシャルメディア・マーケティングであり、ソーシャル・マーケティングとは別です。

消費者の長期的利益や社会的利益への配慮を、企業の長期的な経営計画と結びつける考え方です。ソサイエタル・マーケティングと関連しますが、同義とまではいえません。

製品の売上の一定額を社会的課題の解決に寄付するなど、販売活動と社会的な大義を結びつける手法です。社会的価値と結びついたソサイエタル・マーケティングの実践例として問われます。

社会貢献活動は、長期的には企業イメージ、ブランド・ロイヤルティ、顧客との関係性に結びつくことがあります。「社会貢献はマーケティング成果に影響しない」とする断定は疑って読みます。

この章のまとめ

マーケティング・コンセプトの判断軸をまとめる図解

マーケティング・コンセプトの問題では、最初に「中心に置いているもの」を確認します。売り込みが中心なら販売志向、顧客ニーズと満足が中心なら顧客志向、社会全体の長期的利益まで含むなら社会志向です。

ひっかけを避けるために、次を最後に確認します。

一次試験過去問での出方

2018年第33問では、ソサイエタル・マーケティング・コンセプト、SNS活用とソーシャル・マーケティングの違い、4Pと4Cの対応が問われました。

2020年第28問では、販売志向と市場志向の混同、顧客志向を理由に一部ニーズを無視する誤り、製品志向を常に否定する誤りが問われました。

2020年第35問では、ソサイエタル・マーケティング、サステイナブル・マーケティング、コーズ・リレーテッド・マーケティング、ソーシャル・マーケティングの区別が問われました。