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マーケティング・マネジメント

この章で覚えておきたいこと

市場分析からSTP、4P、実行と修正へ進む流れを示す図

マーケティング・マネジメントは、市場を分析し、狙う市場を決め、顧客の頭の中での位置づけを決め、4Pを組み合わせ、実行結果を見て修正する流れです。一次試験では、STPと4Pを別々の用語として暗記するだけでなく、事例の施策がこの流れに合っているかを判断します。

基本知識

セグメンテーションは市場を意味のある単位に分ける

セグメンテーションの4つの変数で市場を分ける図

顧客は、年齢、所得、地域、価値観、使用場面、求める便益、ロイヤルティなどが異なります。市場全体を一つに見るのではなく、似たニーズや反応を持つ顧客群に分けるのがセグメンテーションです。

代表的な細分化変数は次の4分類です。

心理的変数は消費者の内面に関わるため、刊行データだけで簡単に把握できるとは限りません。アンケートやインタビューなどの一次データが必要になりやすい点がひっかけになります。

有効なセグメントには条件がある

有効なセグメントの5条件を点検する図

セグメントは細かく切ればよいわけではありません。有効なセグメントには、測定可能性、利益確保可能性、差別化可能性、到達可能性、実行可能性が必要です。規模が測れず、利益が見込めず、他セグメントと反応が変わらず、働きかけられず、施策を実行できない区分は、試験上も有効な細分化とはいえません。

ターゲティングは狙う市場を選ぶ

自社資源に合う標的市場を選ぶターゲティングの図

ターゲティングでは、魅力的に見える市場でも、自社のミッション、戦略、経営資源、能力、競争状況に合うかを確認します。中小企業では、すべての市場を狙うより、勝てる市場へ資源を集中する判断が重要です。

ターゲティングの類型は次のように区別します。

同一製品をホテル、レストラン、スポーツジム、贈答品店などに売るなら製品専門化です。特定市場の複数ニーズへ総合的に応えるなら市場専門化です。

ポジショニングは顧客の知覚上の位置づけを作る

競合との差と顧客の理想点でポジショニングを考える図

ポジショニングでは、競合との差と、顧客が望む理想点の両方を見ます。知覚マップで競合がいない場所でも、顧客の選好がなければ魅力的な市場とはいえません。また、自社の資源や能力と合わなければ実行できません。

成熟市場では、単に「高品質」「低価格」と言うだけでは不十分です。どのセグメントの、どの便益に、どの競合との差で訴求するかを決める必要があります。

4PはSTPを実行する手段である

Product Price Place Promotionを一貫させる4Pの図

4Pは、STPで決めた狙いを実行するための手段です。

マーケティング・ミックスの要点は一貫性です。高機能商品を高価格で売るなら、その価値が伝わるチャネルや使用場面が必要です。ブランド化した製品は、一般に価格弾力性が小さくなりやすいです。「ブランド化すると価格弾力性が大きくなる」は逆です。

実行とコントロールは計画を修正する仕組みである

売上や顧客反応を見てマーケティング計画を修正する図

マーケティングは計画を作って終わりではありません。実行後に、売上高、販売数量、利益、シェア、顧客反応、広告や営業などの費用効果を見て、計画との差を確認します。必要に応じて、ターゲット、ポジショニング、価格、チャネル、広告配分を見直します。

選択肢を切る判断手順

STPの段階と4P整合で選択肢を判定する図

まず、問題がSTPのどの段階を聞いているかを確認します。市場を分ける話ならセグメンテーション、狙う市場を選ぶ話ならターゲティング、顧客の知覚上の位置づけならポジショニングです。次に、4Pの整合を見ます。高付加価値商品なのに安売り前提、説明が必要なのにセルフサービス頼み、といった組合せは疑います。

この章のまとめ

STPと4Pの章末確認ポイントを示す図

一次試験過去問での出方

2008年 第38問では、市場細分化変数が問われました。サイコグラフィック変数を刊行データで容易に入手できるとする記述が不適切でした。

2009年 第23問では、有効な市場細分の条件とターゲティング類型が問われました。測定可能性、利益確保可能性、差別化可能性、到達可能性、実行可能性を押さえます。

2010年 第29問では、成熟市場でのポジショニングと知覚マップが問われました。競合との距離、消費者の理想点、未開拓ニーズ、自社能力の整合を読みます。

2014年 第31問では、マーケティング・ミックスにおける価格の位置づけが図で問われました。価格は需要数量や利益に影響し、製品差別化や販売経路とも連動します。

2020年 第29問 設問1では、小型電動バイクのセグメント選択が問われました。細分化しすぎると実行可能性や利益確保可能性を失う点が重要でした。