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経営戦略と組織

この章で覚えておきたいこと

経営戦略の方向と合う組織構造を対応づける図解

試験で問われる形

戦略と組織の適合問題で見る4つの出題パターンを整理する図解

この論点は、細かな年号暗記よりも「戦略に対してどの組織が合うか」を選択肢で判定する形で出る。

よく問われるのは次の4パターンです。

選択肢では、前半が正しくても後半の組織形態がずれていることが多い。たとえば「探索型は新製品・新市場を開発する」は正しいが、「中央集権的な統制システムを採用する」と続けば不適切です。

基本知識

チャンドラー「組織は戦略に従う」

単一事業では機能別組織、多角化では事業部制が合いやすいことを示す図解

チャンドラーは、企業が成長戦略を変えると、それに合わせて組織構造も変わると考えた。単一事業で規模を拡大する段階では、購買、生産、販売、財務などの機能別組織で専門性を発揮しやすいです。しかし、製品や市場が増え、多角化が進むと、機能別組織だけでは各事業の成果責任や資源配分が見えにくくなる。

そこで、多角化した企業では事業部制が採用されやすいです。事業部制では、製品別、地域別、顧客別などの単位ごとに利益責任を持たせ、各事業の戦略実行を進める。全社本部は、どの事業に資源を配分するか、事業間の調整をどう行うかを担う。

試験では、「多角化が進むと事業部制が合う」は押さえる。一方で、「地理的拡大が進むと機能別組織が採用される」といった選択肢は疑う。地理的拡大なら地域別組織などが論点になりやすく、機能別組織とは直結しません。

Miles and Snow の戦略類型

Miles and Snowの探索型、防衛型、分析型、受動型を組織特性と対応づける図解

Miles and Snow は、企業が環境にどう適応するかを、戦略類型と組織特性の対応で整理した。試験では4類型を次のように覚える。

探索型は「新しいことをするから、中央で強く統制する」と考えると誤る。新市場や新製品を探るには、現場の情報を生かし、柔軟に試せる分権的な仕組みが必要です。

防衛型は、イノベーションを広く追う型ではない。狭く定義した事業領域で効率化、品質、コスト管理を重視します。分析型は、探索型と防衛型の中間ではあるが、単なる中途半端ではない。既存事業では安定運用を行い、新分野では探索するという二面性を持つ。

受動型は、社内ベンチャー制度やボトムアップの創造性を備えた望ましい組織ではない。一貫した戦略がなく、環境変化に受け身で対応する類型として処理します。

Galbraith & Nathanson の戦略と組織形態

Galbraith and Nathansonのモデルで組織形態の箱と戦略の矢印を読む図解

Galbraith & Nathanson は、戦略と組織形態の組み合わせを、企業組織の発展過程として整理した。試験では図表問題として出やすく、図の箱が組織形態、矢印が戦略を表す。

丸暗記しすぎるより、次の対応を押さえる。

2020年第17問では、A:垂直統合、B:関連多角化、C:規模の経済の活用、D:非関連事業の買収の対応が問われた。図表問題では、選択肢の用語を単独で眺めず、「どの組織形態から、どの組織形態へ移る矢印か」を見る。

複合組織の探索と運用

複合組織で既存事業の運用と新規機会の探索を両立する図解

企業が成長すると、製品、サービス、地域、顧客ごとに専門化された複数の組織単位を持つ複合組織になります。複合組織では、既存事業を安定的に回す「運用」と、将来の利益を生む新しい機会を探す「探索」を両立させることが重要になります。

既存事業部に戦略的な重点課題を割り当てること、通常業務と新規利益創出業務の予算を分けること、経営者が専門化された組織間を調整することは、環境適応のために有効です。

一方で、環境分析を専門部署に閉じ込め、変化の渦中でも持続可能な長期戦略計画を立てさせればよい、という発想は危うい。変化が大きい環境では、長期計画だけでなく、事業部間の調整、現場からの情報、実験的な取り組み、資源配分の柔軟性が必要になります。

この章のまとめ

解き方・判断手順

1. まず、設問が「組織形態そのもの」を聞いているのか、「戦略と組織の適合」を聞いているのかを確認します。 2. 戦略の方向を読む。単一事業の規模拡大か、多角化か、垂直統合か、地理的拡大か、新市場探索か、既存領域防衛かを分ける。 3. 組織形態を対応させる。単一事業なら機能別組織、多角化なら事業部制、地域拡大なら地域別組織、グループ再編なら持株会社という基本線で考える。 4. Miles and Snow は、探索型、防衛型、分析型、受動型のどれかを先に決める。次に、柔軟・分権か、安定・統制かを見る。 5. 図表問題では、箱ではなく矢印に注目します。矢印が「経営戦略」を表すなら、前後の組織形態を見て、垂直統合、関連多角化、規模の経済、非関連買収などを当てはめる。 6. 複合組織の問題では、既存事業の運用と新規探索を両立しているかを確認します。長期計画だけ、専門部署だけ、トップだけに閉じた説明は不適切になりやすいです。

ひっかけポイント

経営戦略と組織の適合を判断する手順とひっかけポイントのまとめ図解

一次試験過去問での出方

最後に確認すること