naritai.app

その他

この章で覚えておきたいこと

分析対象から戦略論のフレームワークを選ぶ全体像を示す図解

このトピックは、戦略論の周辺事項を大量に暗記する場所ではありません。経営計画と経営管理で学んだ分析フレームワークを、まとめて見分けるための補助トピックです。

出題頻度は高くありませんが、基本フレームワークの役割を取り違えると、知っている用語でも失点します。特に「外部環境か内部資源か」「顧客・競合・自社か」「業界構造か価値活動か」を分けることが重要です。

基本知識

分析フレームワークは対象で見分ける

PEST、5フォース、3C、VRIO、バリューチェーンを分析対象で切り分ける図解

戦略論のフレームワークは、名前を覚えるだけでは不十分です。試験では、選択肢の説明文にわざと別のフレームワークの要素を混ぜてきます。

まず、分析対象を次のように分けます。

同じ外部環境でも、PESTと5フォースは対象が違います。PESTは政治、経済、社会、技術という大きな環境変化を見ます。5フォースは、既存企業間の競争、新規参入、代替品、買い手、売り手という業界内外の圧力を見ます。

PESTはマクロ外部環境を整理する

PESTが政治、経済、社会、技術の外部環境を整理することを示す図解

PESTは、企業を取り巻く外部環境を、政治、経済、社会、技術の4つの観点で整理する枠組みです。

PESTは、自社の強みや弱みを直接評価する枠組みではありません。内部資源の分析と混同しないことが重要です。

VRIOは内部資源を競争優位で判定する

VRIOが内部資源を価値、希少性、模倣困難性、組織で判定することを示す図解

VRIOは、自社の経営資源や能力が競争優位につながるかを判定する枠組みです。

2022年第3問では、「4条件のうち1つでも満たせば持続的競争優位に資する」とする選択肢が誤りでした。VRIOでは、価値だけ、希少性だけで判断しません。持続的競争優位には、価値、希少性、模倣困難性に加え、それを活用する組織が必要です。

3Cは顧客・競合・自社をそろえて見る

3Cが顧客、競合、自社をそろえて市場や事業を見ることを示す図解

3Cは、Customer、Competitor、Companyの3つから市場や事業の状況を整理する枠組みです。

ひっかけになりやすいのは、3CのCをCapitalとする説明です。3Cに資本を入れる整理は、診断士試験の基本理解としては誤りです。

バリューチェーンは主活動と支援活動を分ける

バリューチェーンが主活動と支援活動に分けて価値活動の連鎖を見ることを示す図解

バリューチェーンは、企業がどの活動で価値を生んでいるかを、活動の連鎖として見る枠組みです。単に組織図を見るのではなく、価値がどこで加わるかを確認します。

主活動には、購買物流、製造、出荷物流、販売・マーケティング、サービスなどが入ります。支援活動には、全般管理、人事・労務管理、技術開発、調達活動などが入ります。

2022年第3問では、販売・マーケティングを支援活動とする選択肢が誤りでした。販売・マーケティングは、顧客へ価値を届ける主活動として押さえます。

5フォースは業界の競争圧力を見る

5フォースが既存競争、新規参入、代替品、買い手、売り手の競争圧力を見ることを示す図解

5フォースは、業界の収益性に影響する競争圧力を整理する枠組みです。

5フォースは、業界の成長性そのものを決定する枠組みではありません。成長市場でも競争圧力が強ければ収益性は低くなりえます。逆に、成長性が低くても参入障壁や買い手・売り手との力関係によって収益性が保たれる場合があります。

この章のまとめ

横断問題で外部環境、内部資源、市場、価値活動、競争圧力を順に確認する図解

このトピックでは、各フレームワークの細部を増やすより、分析対象の取り違えを防ぐことを優先します。

解くときの確認順

1. 選択肢が「外部環境」「内部資源」「顧客・競合・自社」「価値活動」「業界構造」のどれを説明しているかを確認します。 2. 政治・経済・社会・技術ならPESTです。 3. 価値、希少性、模倣困難性、組織ならVRIOです。 4. 顧客、競合、自社なら3Cです。 5. 主活動と支援活動ならバリューチェーンです。 6. 新規参入、代替品、買い手、売り手、既存競争なら5フォースです。

ひっかけを避ける

最後に、選択肢の中に「それらしい用語」が出ても、すぐに正しいと判断しないことが大切です。用語と説明の組み合わせがずれていないかを確認します。

一次試験過去問での出方

- 2022年 第3問: PEST、VRIO、3C、バリューチェーン、5フォースの役割を横断的に区別する問題でした。正解は、PESTを政治、経済、社会、技術の観点から外部環境を分析する枠組みとする記述です。

- 同問では、VRIOを1条件だけで持続的競争優位とする誤り、3Cに資本を入れる誤り、販売・マーケティングを支援活動とする誤り、5フォースを成長性の決定要因とする誤りが出ました。