企業経営理論
体系補助その他
関連章の確認用として使う。
この章で覚えておきたいこと
- このページは、技術経営(MOT)の周辺事項を整理するための受け皿です。独立論点として暗記量を増やすページではありません。
- 技術経営の問題は、まず技術戦略、イノベーションマネジメント、新規事業開発、知識経営のどれに近いかを分類します。
- 分類に迷ったときは、技術そのものではなく、事業化、顧客、組織、知財、知識創造のどこを問うているかを見ます。
- 低頻度の用語を厚く覚えるより、頻出論点の判定軸を選択肢で使える状態にすることを優先します。
基本知識
章内の位置づけ
技術経営(MOT)は、研究開発だけを扱う章ではありません。技術を市場価値へ変え、競争優位や新規事業、組織的な知識創造へつなげる考え方を扱います。
「その他」は、主要4トピックへ分類しにくい表現や、複数トピックを横断する選択肢を読むための整理欄です。したがって、ここで新しい理論名を多く覚える必要はありません。既習の論点へ戻すための入口として使います。
技術経営を分類する軸
問題文や選択肢を読んだら、次の順に近い論点を探します。
- 技術をどの市場、製品、知財へ結び付けるかを問うなら、技術戦略です。
- 技術変化、製品アーキテクチャ、補完的資産、オープンイノベーションを問うなら、イノベーションマネジメントです。
- 不確実な事業機会、起業家の行動、仮説検証、普及の壁を問うなら、新規事業開発です。
- 暗黙知、形式知、SECIモデル、組織的な学習を問うなら、知識経営です。
この分類を先に置くと、似た言葉に引っ張られにくくなります。たとえば「知識」という言葉があっても、特許や秘匿の話なら知財戦略寄りです。ユーザーの現場知識を製品開発へ取り込む話なら、ユーザーイノベーション寄りです。
技術戦略とイノベーションの境目
技術戦略は、技術を事業成果へ結び付けるための方針を扱います。技術ロードマップ、技術と市場の統合、特許の出願や秘匿、ライセンス活用などが中心です。
イノベーションマネジメントは、技術や製品の変化がどのように起こり、企業がどのように利益化するかを扱います。A-Uモデル、製品アーキテクチャ、補完的資産、オープンイノベーション、ユーザーイノベーションなどが中心です。
迷ったときは、方針を作る話か、変化を管理する話かで分けます。技術をどの製品群へ展開するかなら技術戦略寄り、技術変化が既存企業の行動や産業構造をどう変えるかならイノベーション寄りです。
新規事業開発と知識経営の境目
新規事業開発は、不確実性の高い状況で事業機会をどう見つけ、どう検証するかを扱います。エフェクチュエーション、リーン・スタートアップ、ティモンズ・モデル、キャズムなどは、機会探索と事業化の判断軸です。
知識経営は、個人や現場にある知識を、組織として創造・共有・活用する考え方です。暗黙知と形式知、SECIモデル、自律性や冗長性は、知識の変換と組織学習の判断軸です。
迷ったときは、事業機会の検証を問うているのか、知識の変換を問うているのかで分けます。顧客仮説をMVPで試すなら新規事業開発、経験や勘を言語化して共有するなら知識経営です。
選択肢で迷ったときの判定順
技術経営の選択肢は、用語を少しずらして誤答を作ることが多いです。次の順に確認します。
- 問題の主語が、技術、製品、市場、顧客、組織、知識のどれかを確認します。
- 研究開発だけで完結していないか、市場や事業化との接続を見ます。
- 「必ず」「常に」「すべて」「だけでよい」のような極端表現を疑います。
- 似た用語を、変換方向、主体、目的、時間軸で分けます。
- 最後に、主要4トピックのどの基本知識へ戻せるかを確認します。
特に、優れた技術があれば必ず成功する、特許はすべて出願すべきである、探索組織は切り離せばよい、冗長性は常に無駄である、といった表現は慎重に読みます。
この章のまとめ
- このページは、技術経営(MOT)の独立論点を増やす場所ではなく、章内論点へ戻すための整理欄です。
- 迷ったら、技術戦略、イノベーションマネジメント、新規事業開発、知識経営の順に近い論点を探します。
- 技術戦略は、技術を市場、製品、知財、事業化へ結び付ける話です。
- イノベーションマネジメントは、技術や製品の変化、利益化、外部知識の活用を扱う話です。
- 新規事業開発は、不確実性の中で機会を検証し、事業を立ち上げる話です。
- 知識経営は、暗黙知と形式知を変換し、組織的な知識創造へつなげる話です。
- 選択肢では、主体、目的、変換方向、時間軸、極端表現を順に確認します。
一次試験過去問での出方
このトピック単独の出題参照はありません。過去問では、技術戦略、イノベーションマネジメント、新規事業開発、知識経営の問題に、周辺事項や横断的な選択肢として混ざって出ます。まず主要4トピックへ分類し、頻出論点の判定軸で処理してください。