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物流情報システム

この章で覚えておきたいこと

物流情報システムの学習項目を識別、属性情報、読取、履歴管理と企業間連携に分けた導入図

基本知識

バーコードと物流情報システムの全体像

JAN、ITF、GS1-128、GS1 QRコードを利用場面と識別対象で比較した図

物流情報システムでは、商品や荷物を機械で正しく識別し、その結果を在庫管理、検品、入出庫管理、履歴追跡に結びつけます。試験では、コードの名称だけではなく、何を識別する仕組みか、どの場面で使うか を切り分ける力が問われます。

まずは次の対応を整理します。

ここでのひっかけは、商品コードそのものと、その周辺情報の違いです。JAN は商品識別が中心ですが、GS1-128 や GS1 QRコードは、商品識別に属性情報を追加して表せる点が重要です。

GS1アプリケーション識別子の読み方

GS1アプリケーション識別子をAI(01)、AI(10)、AI(11)と後続データに分解した図

GS1アプリケーション識別子は、後ろに続くデータの意味を示す番号です。近年はこの論点が頻出で、2022年、2024年にも出題されています。

必ず押さえるべきものは次の3つです。

試験では、表記ルールをそのまま問う問題が出ます。たとえば GTIN-13 を AI(01) で表す場合は、先頭に 0 を付けて 14 桁にします。また、2024年5月10日の製造日を AI(11) で表すなら 240510 であり、和暦表記にはなりません。

さらに、AI は固定長のデータしか扱えないわけではありません。2022年の出題では、可変長の項目もある こと、GS1 QRコードでも AI を利用できる こと、国際標準として国内外で利用できる ことが問われました。したがって、AI は GS1 データマトリックス専用でも、国内専用でもありません。

GTIN-14とインジケータ

GTIN-14のインジケータとチェックデジットの役割を分けて示した図

GTIN は商品識別コードの総称で、物流情報システムでは GTIN-14 が重要です。GTIN-14 は、物流センターでの入出庫管理や在庫管理、集合包装の管理と結びつけて出題されます。

2025年の出題では、GTIN-14 の先頭にある インジケータ が何を表すかが問われました。ここで大切なのは、インジケータとチェックデジットを混同しないことです。

したがって、価格、原産国、製造日、入力ミス防止などをインジケータの役割として示す選択肢は切ります。荷姿の違いか、誤読防止かを分けて考えるのが基本です。

また、2021年には、単品の JAN を変えずに集合包装用商品コードだけを変更すべきケースも問われました。判断軸は、単品そのものが変わったのか、それとも集合包装のまとまり方だけが変わったのか です。ケース入数だけが変わるなら、物流単位で使う GTIN-14 側の見直しが中心になります。

RFIDと電子タグ

RFIDと電子タグの非接触読取、一括読取、導入上の注意点を整理した図

RFID は、電波を使ってタグ情報を読み取る仕組みです。電子タグ、ICタグ、RFタグ、無線タグという言い方で出ることもあります。

RFID の強みは次のとおりです。

一方で、弱みや注意点もよく問われます。

2012年は、RFID によって検品時間短縮やトレーサビリティ強化は期待できるが、バーコードより安価になるとはいえない点が問われました。2016年は、金属で被覆しても通常読み取れるとする選択肢が誤りでした。利点だけでなく、読取環境の制約までセットで覚える必要があります。

EPC、GTIN、SGTINの関係

EPC、GTIN、SGTINの関係を商品種別と商品個体の違いで整理した図

電子タグによる個体管理では、EPC、GTIN、SGTIN の関係が重要です。2021年には、この対応そのものが空欄補充で問われました。

この関係を言い換えると、GTIN は「同じ種類の商品」を識別し、SGTIN は「その商品の1つ1つ」を識別します。個体管理、修理履歴管理、回収対象の特定など、個品単位で追う場面では SGTIN の考え方が重要です。

なお、SSCC は物流単位の識別コードであり、商品個体識別用の SGTIN とは役割が違います。試験では、商品個体、物流単位、資産識別のコードを混同させる選択肢が出やすいので注意します。

トレーサビリティの本質

原材料から販売までの履歴を追跡し遡及するトレーサビリティの図

トレーサビリティは、原材料、製造、加工、物流、販売の履歴を追跡、遡及できる仕組みです。食品分野でよく問われますが、小売業だけの仕組みではなく、サプライチェーン全体で成り立ちます。

ここで誤りやすいのは、トレーサビリティを単なる表示制度と考えることです。

本質は、どこから来て、どこへ渡ったかを追えること にあります。そのためには、識別単位を決めて記録を残す必要があります。代表的な管理方法は次の2つです。

2012年は、ロットナンバー管理とシリアルナンバー管理がトレーサビリティ構築の代表的手法として問われました。2014年と2015年は、入出荷記録に加えてロット情報の対応付けを明らかにすることが重要だと問われています。

企業間連携と物流EDI

企業間連携と物流EDIにおけるASN、JTRN、VMI、CRPの役割を整理した図

物流情報システムでは、識別コードだけでなく、企業間で情報をどう受け渡すかも出題されます。2012年には、VMI、CRP、ASN、JTRN の使い分けが出ました。

また、複数企業が IC タグを利用する場合は、独自の複雑なコード体系ではなく、標準化されたコード体系 が重要です。2008年や2014年では、相互運用性の観点から、他社が読んでも意味を判別できることが問われました。物流情報システムは、自社内で閉じるよりも、サプライチェーン全体でつながる前提で理解する必要があります。

この章のまとめ

物流情報システムのコード、RFID、トレーサビリティ、物流EDIをまとめた章末確認図

一次試験過去問での出方

2008年は RFID の SCM 活用とコード体系の標準化、2012年は RFID の効果とトレーサビリティ、物流 EDI 用語、2016年は電子タグの読取制約、2020年は GS1 QRコード、2021年は EPC・GTIN・SGTIN と GTIN-14 の変更基準、2022年と2024年は GS1 アプリケーション識別子、2025年は GTIN-14 のインジケータが問われました。近年は AI 識別子 と GTIN-14 の細かい使い分けが特に重要です。

引用元