運営管理(オペレーション・マネジメント)
重要販売促進
インストアプロモーション、POP、クロスMD、販促手法を扱う。
販売促進(インストアプロモーション等)
この章で覚えておきたいこと
- インストアプロモーションは、来店後の売場で購買行動に働きかける販売促進です。
- 値引き、特売、増量パック、バンドル販売は価格主導型です。POP、クロスMD、エンド陳列などは非価格主導型です。
- POPは価値や使い方を伝えて購買を後押ししますが、値引きによる購買とはきっかけが異なります。
- クロスMDは関連購買を促し、エンド陳列は非計画購買を促しやすい施策です。
- 52週マーチャンダイジングは、季節や催事に合わせて年間の販売機会を計画する考え方です。
基本知識
価格主導型ISPと非価格主導型ISP
インストアプロモーションは、売場の中で顧客に気付かせ、迷わせず、買いたくさせる施策です。その中でも、値頃感を前面に出すものが価格主導型ISPで、価格以外の情報や売場演出で買わせるものが非価格主導型ISPです。
価格主導型ISPには、値引き、特売、増量パック、バンドル販売があります。これらは「安い」「お得」という条件で購買を動かしやすく、短期的な販売数量の増加に強みがあります。2018年第30問でも、特売は短期的に売上を増加させる施策だと問われました。
非価格主導型ISPには、POP、サンプリング、実演販売、ノベルティ、クロスMD、エンド陳列などがあります。こちらは、商品の価値を伝える、思い出させる、関連商品を一緒に買わせる、売場で目立たせるといった働き方をします。価格を直接下げなくても購買を動かせる点が特徴です。
また、2018年第30問では、価格弾力性が大きい商品のほうが、同じ値引率でも売上の増加幅が大きいことが問われました。価格主導型施策は、すべての商品に同じように効くわけではありません。
POPと非計画購買
POPは、商品の特徴、使い方、希少性、比較情報などを売場で短時間に伝えるための販促物です。単に派手に見せるだけでなく、「なぜ今ここで買うのか」を納得させる役割があります。
2024年第29問では、非計画購買の種類ときっかけの対応が問われました。値引きされた商品を「安いから」買うのは条件購買です。一方、POPを見て初めて知った商品にその場で魅力を感じて買う行動は、売場刺激による購買として整理します。
非計画購買は、来店前に買う予定がなかった商品を店内で買う行動です。代表的には、必要性を思い出して買う想起購買、関連商品をついでに買う関連購買、値引きなどの条件で買う条件購買、その場の刺激で欲しくなる衝動購買があります。POPは、このうち想起購買や衝動購買のきっかけになりやすい施策です。
クロスMDとエンド陳列
クロスMDは、関連する異なるカテゴリーの商品を近くに置いて、ついで買いを促す手法です。たとえば、パスタの近くにパスタソースを置く、鍋つゆの近くに野菜や肉を並べる、といった売場づくりです。2023年度第2回第29問では、クロスMDの主な目的は関連購買の促進だと問われました。
エンド陳列は、ゴンドラの端など通路から目に入りやすい場所に商品を展開する方法です。大量陳列と組み合わせると目立ちやすく、買う予定がなかった商品でも手に取らせやすくなります。そのため、2023年度第2回第29問では、エンド陳列の主な目的を計画購買とする記述が誤りでした。エンド陳列は、主に非計画購買を促します。
この2つは似て見えても狙いが異なります。クロスMDは「関連商品を一緒に買わせる」施策であり、エンド陳列は「まず目立たせて手に取らせる」施策です。問題文では、目的の違いで切り分けます。
52週マーチャンダイジング
52週マーチャンダイジングは、1年を52週に分けて、季節、行事、催事、生活変化に合わせた売場と販促を計画する考え方です。ひな祭り、入学、梅雨、夏休み、ハロウィン、年末年始のように、需要が動く場面を先読みして商品と販促を準備します。
2023年度第2回第29問では、その主な目的を「競合店と異なる販促テーマで顧客を獲得すること」とする記述が誤りでした。52週マーチャンダイジングの主目的は、販売機会を逃さないことと、年間を通じて売場運営を計画的に進めることです。差別化は副次的な効果であって、定義そのものではありません。
この章のまとめ
- 価格主導型は値頃感で動かし、非価格主導型は情報や売場演出で動かします。
- POPは価値訴求、クロスMDは関連購買、エンド陳列は非計画購買の促進が中心です。
- 値引きに反応しやすいのは、価格弾力性が大きい商品です。
- 特売は短期的には有効ですが、長期化すると内的参照価格を下げやすくなります。
- 52週マーチャンダイジングは、季節と催事に合わせた年間販促計画として理解します。
一次試験過去問での出方
2018年第30問では、特売の短期効果、価格弾力性、内的参照価格の低下が空欄補充で問われました。価格主導型施策の効果と副作用を一緒に押さえる必要があります。
2023年度第2回第29問では、エンド陳列、52週マーチャンダイジング、クロスMDの目的が正誤判定で出題されました。計画購買か非計画購買か、販売機会の確保か差別化かを切り分けることが重要です。
2024年第29問では、POPや値引きをきっかけにした非計画購買の種類が問われました。条件購買と衝動購買の違いを、購買のきっかけから判断できるようにします。