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NARITAI

運営管理(オペレーション・マネジメント)

補助

その他生産管理に関する事項

既出論点を要点確認する。

この章で覚えておきたいこと

この項目は、生産管理の主要テーマに入り切らない周辺技術用語を、過去問で出た範囲にしぼって確認するための内容です。出題頻度は高くありませんが、知らない横文字を並べて取り違えを誘う問題が出るため、最低限の切り分けはできるようにしておきます。

  • トップダウン は、大きな材料や構造物を加工して微細化する考え方です。
  • ボトムアップ は、原子や分子のような小さな単位を積み上げて材料やデバイスを作る考え方です。
  • 1nm10^-9m です。長さの単位として問われても答えられるようにします。
  • バイオインフォマティクス は、生物情報や遺伝子情報を情報処理で解析する分野です。
  • バイオマス は生物由来の資源であり、環境浄化の技術名ではありません。
  • 生物の働きで汚染物質を除去する技術は バイオレメディエーション です。

基本知識

ナノテクノロジーの基本用語

ナノテクノロジーでは、どの方向からものを作るかで用語を区別します。組織論で使うトップダウン、ボトムアップの印象に引きずられず、加工の向きで判断することが大切です。

  • トップダウン
    既にある大きな材料や構造物を削る、加工する、微細化する方法です。半導体の微細加工のように、「大きいものから小さい構造へ近づける」と理解します。
  • ボトムアップ
    原子や分子などの小さな単位を積み上げて、新しい材料やデバイスを構築する方法です。「小さいものから作り上げる」と覚えると混同しにくくなります。
  • ナノメートル
    ナノは 10 億分の 1 を表します。したがって 1nm = 10^-9m です。単位の選択肢が出たら、マイクロメートルやミリメートルと混同しないようにします。

問題では、定義を厳密に暗記しているかよりも、説明文の動詞で見分ける形がよく出ます。たとえば「加工する」「削る」「微細化する」はトップダウン、「原子」「分子」「積み重ねる」「構築する」はボトムアップに結び付きやすい表現です。

バイオテクノロジー関連用語

バイオ関連の用語は、何をしている言葉なのかで整理すると判断しやすくなります。資源なのか、解析なのか、性質を変える技術なのか、環境浄化なのかを分けて覚えます。

  • 遺伝子組換え
    遺伝子を導入したり改変したりして、特定の性質を持たせる技術です。除草剤耐性のある穀物の生産は典型例です。
  • ナノバイオテクノロジー
    生体分子や生体機能をナノレベルで利用する技術です。分子レベルのモータの開発のように、ナノ技術と生命機能が結び付く場面で使われます。
  • バイオインフォマティクス
    遺伝子情報やタンパク質情報などを、情報処理によって解析する分野です。創薬や新薬開発の支援と結び付きます。
  • バイオマス
    木材、農作物、食品廃棄物などの生物由来資源を指します。資源名であって、処理方法の名称ではありません。
  • バイオレメディエーション
    微生物などの生物の働きを利用して、環境中の汚染物質を除去したり分解したりする技術です。

この分野では、似た雰囲気のカタカナ語を入れ替えた選択肢が作られやすいです。意味を一語で言い換えられるようにしておくと強くなります。

  • 遺伝子組換えは 性質を変える技術 です。
  • バイオインフォマティクスは 情報を解析する分野 です。
  • バイオマスは 資源 です。
  • バイオレメディエーションは 環境浄化の技術 です。

用語問題の見分け方

この論点は、詳しい科学知識よりも、用語と説明文のずれに気づけるかが問われます。次の順で切り分けると、初見の選択肢でも判断しやすくなります。

  1. 問われているのが「作り方の方向」か「生物関連の用語」かを先に分けます。
  2. ナノテクノロジーなら、「大きいものを加工する」のか「小さいものを積み上げる」のかで判断します。
  3. 単位の話なら、1nm = 10^-9m をそのまま当てはめます。
  4. バイオ関連なら、「資源」「解析」「遺伝子改変」「環境浄化」のどれかに置き換えて考えます。
  5. 設問が 適切なもの を選ぶのか、不適切なもの を選ぶのかを最後にもう一度確認します。

また、この章の用語は独立して暗記を増やすより、どの章に近い発想かで受け止めると整理しやすくなります。

  • 加工方法や製造技術に近い用語は、作業の管理や設備の管理に結び付けて考えます。
  • 生物由来の資源や材料に近い用語は、資材の管理に結び付けて考えます。
  • 情報解析や開発支援に近い用語は、生産計画や管理支援の文脈に置いて考えます。

特に注意したいひっかけは次のとおりです。

  • トップダウンとボトムアップを逆にするひっかけ
  • バイオインフォマティクスを、バイオテクノロジー全般や生物学と工学の融合一般として広く言い換えるひっかけ
  • バイオマスとバイオレメディエーションを入れ替えるひっかけ
  • 用語の雰囲気だけで正しそうに見せ、実際には対象が「資源」なのか「技術」なのかをずらすひっかけ

この章のまとめ

この項目では、広く暗記するよりも、過去問で出た用語の対応関係を確実に押さえることが大切です。

  • トップダウンは 大きいものを加工して微細化する方法 です。
  • ボトムアップは 原子や分子を積み上げて作る方法 です。
  • 1nm = 10^-9m です。
  • バイオインフォマティクスは 生物情報の解析 です。
  • 遺伝子組換えは 性質を持たせる技術 です。
  • バイオマスは 資源、バイオレメディエーションは 環境浄化技術 です。
  • 新しい用語が出ても、作業、設備、資材、計画のどこに近いかを考えて選択肢のずれを見ます。

選択肢で迷ったら、用語を短い日本語へ言い換えてから照合します。横文字の印象で選ばず、何をしている言葉なのかを確認するのが得点の近道です。

一次試験過去問での出方

2008年 第15問では、ナノテクノロジーの基本用語のうち最も不適切な記述を選ばせました。トップダウン、ボトムアップ、1nm の説明は正しく、バイオインフォマティクス を「生物学と工学の融合による新技術創出」とした選択肢が誤りでした。ここでは、バイオインフォマティクスが 生物情報の解析分野 であることを見抜けるかがポイントでした。

2013年 第6問では、バイオテクノロジー用語と応用事例の組み合わせが問われました。遺伝子組換え、ナノバイオテクノロジー、バイオインフォマティクスの対応は正しく、バイオマス を「生物の働きによる環境中の汚染物質の除去」とした選択肢が誤りでした。ここでは、バイオマスが 資源名、環境浄化は バイオレメディエーション だと区別できるかが問われました。

過去問から見ると、この論点の出題パターンはほぼ共通しています。

  • 定義を厳密に問うというより、用語と説明文の対応を崩した選択肢を見抜かせます。
  • 正しい知識を広く書けるかではなく、どこがずれているか を指摘できるかが重要です。
  • 低頻度論点なので、2008年と2013年で問われた用語の組み合わせを優先して復習すると効率的です。