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分析手法

この章で覚えておきたいこと

分析手法を対象別に選ぶ考え方の図解

基本知識

作業研究の全体像

方法研究と作業測定の全体像の図解

作業研究は、大きく 方法研究 と 作業測定 に分かれます。方法研究は「どうやるか」を改善し、作業測定は「どれだけ時間がかかるか」を把握します。このトピックでは、その両方を支える分析手法を扱います。

出題では、手法名の暗記だけでなく、どの粒度で現場を切り取っているかを見抜けるかが問われます。工程レベル、作業レベル、動作レベル、時間レベル、稼働比率レベルを順に整理して覚えると混乱しにくくなります。

工程分析

工程分析の記号と停滞・貯蔵の違いの図解

工程分析は、工程の流れを図記号で表して問題点を見つける方法です。代表的な見分け方は次のとおりです。

原材料、部品、製品など、物の流れを追います。

作業者の行為の流れを追います。

工程図記号で最低限押さえる内容は次のとおりです。

形状や性質を変える作業です。

人や物が移動することです。

品質、数量、寸法などを確かめます。

一時的な待ちや遅れです。

管理下で保管され、取り出しに管理が必要な状態です。

停滞と貯蔵は、時間の長短ではなく 管理上の扱い で分けます。ここは工程分析で最も狙われやすい論点です。

作業者工程分析と複合記号

作業者工程分析と複合記号の読み方の図解

作業者工程分析では、対象は作業者です。JIS では、作業者が取り扱う物そのものを分析対象にするのではなく、作業者の行為を工程図記号で表します。

事務工程分析は、申込書、伝票、データ入力、承認、照合、保管のような事務処理の流れを工程分析の考え方で見える化する手法です。工場の製品だけでなく、書類や情報の停滞、重複入力、不要な確認待ちを見つけるときに使います。ECRSで見るなら、承認や転記をなくせないか、入力を結合できないか、順序を入れ替えられないか、手作業を簡素化できないかを確認します。

注意点は次のとおりです。

2023年第1回では、この JIS の定義がそのまま問われました。最近は古典的な図記号暗記だけでなく、用語定義を文章で判定させる問題が増えています。

時間研究と標準時間設定

時間研究から標準時間を設定する手順の図解

時間研究では、要素作業ごとに時間を観測し、標準時間へつなげます。手順は固定して覚えます。

1. 累積時刻なら差分を取る。 2. 観測時間の平均を求める。 3. レイティングで正常時間に補正する。 4. 余裕を加えて標準時間にする。

併せて、次の手法の違いも押さえます。

実作業を直接観測します。

基本動作ごとの既定時間を積み上げます。

既に整備した時間資料を使います。

過去データを活用します。

DM表記も頻出です。1DM = 0.01分 = 0.6秒 です。単位変換を誤ると、その後の計算を全部落とします。

ワークサンプリングと稼働分析

ワークサンプリングで稼働比率を推定する図解

ワークサンプリングは、ある時点で対象がどの状態にあるかを多数回観測し、比率を推定する方法です。複数の作業者や設備を1人で観測しやすいのが特徴です。

ここでの判断軸は次の3つです。

個々の要素作業時間そのものは直接得られません。

ただし、分母を全観測回数にするのか、作業回数にするのかは設問条件で決まります。

相対誤差で与えられたら、絶対誤差へ直してから使います。

必要サンプル数は、比率 p、許容誤差 e、信頼係数に対応する値 z を使って、n = z^2 p(1 - p) ÷ e^2 で求めます。相対誤差が「比率pに対して何パーセント以内」と与えられたときは、先に e = p × 相対誤差率 として絶対誤差へ直します。

2018年第18問のように、相対誤差と絶対誤差の変換を式変形で問う問題も出ています。

連合作業分析

人と機械の手待ちを同一時間軸で見る図解

連合作業分析は、人と機械、または複数人の作業を同一時間軸に並べて、手待ちや遊休を見つける手法です。マン・マシンチャートはその代表例です。

見るポイントは単純です。

人の行だけを見て解くと外しやすいので、必ず機械側の待ちも確認します。

動作分析

サーブリッグ記号で手の動きを読む図解

動作分析は、手や身体の細かな動作に分解して改善する方法です。両手動作分析やサーブリッグ分析が典型です。

頻出記号は次のとおりです。

つかむ

保持する

物を持って運ぶ

空手で移動する

位置決めする

放す

問題では、どの手が長く保持で拘束されているか、持ち替えや移動が多すぎないかを読みます。2021年第18問では、左手の保持が長いことを読み取り、治具の活用が改善策として問われました。

この章のまとめ

分析手法を対象と判断軸で整理するまとめ図解

一次試験過去問での出方

2024年第16問、2023年第2回第10問、2019年第13問では工程分析が出ました。工程図記号そのものよりも、図から直接読める改善策を選ばせる出題が増えています。

2023年第1回第16問では作業者工程分析の JIS 定義、2022年第16問と2019年第14問では時間研究と余裕率計算、2021年第17問では作業測定手法の使い分けが問われました。分析対象と計算順序を両方押さえておく必要があります。

2021年第18問、2020年第18問、2019年第16問では動作分析や PTS 法、2018年第18問と2008年第4問ではワークサンプリングが出ています。図表の粒度を見分けられるかどうかが得点差になります。

引用元