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外部情報資源の活用

この章で覚えておきたいこと

外部情報資源の活用で何を借りて何を自社で持つかを俯瞰する図解

基本知識

外部情報資源を活用する考え方

初期費用や自由度、責任範囲の観点で外部情報資源の活用を判断する図解

企業は、サーバ、ソフトウェア、保守要員をすべて自前で持たなくても、外部の資源を組み合わせてシステムを使えます。初期投資を抑えやすく、短期間で導入しやすく、専門事業者の運用能力も活用できます。

ただし、便利だからといって無条件で有利とは限りません。導入判断では、次の観点を合わせて見ます。

この章では、用語暗記だけでなく、どこまでを借りて、どこからを自社で持つかという判断軸で理解することが大切です。

SaaS、PaaS、IaaSの違い

SaaS、PaaS、IaaSで利用者が触る層と事業者が担う層の違いを示す図解

SaaS、PaaS、IaaSは、クラウド事業者がどの層まで提供するかで区別します。

それぞれの利用者側の見え方を整理すると次のとおりです。

- 代表例はグループウェア、会計ソフト、CRMです。 - 利用者はブラウザなどからサービスを使います。 - アプリケーション本体の運用負担は小さい一方、データ入力、権限設定、利用ルール整備は利用者側に残ります。

- 利用者はアプリケーション開発とデータ管理に集中しやすいです。 - OSや実行基盤の細かい管理を事業者へ任せやすいです。 - 開発環境の自由度はIaaSより狭くなることがあります。

- 利用者は仮想サーバなどの基盤を借り、自分でOS、ミドルウェア、アプリケーションを構築します。 - 自由度は高いですが、管理範囲も広くなります。

2024年度第11問では、まさにこの違いを責任分界とセットで問われました。用語だけでなく、どの層まで利用者が面倒を見るかまで説明できるようにします。

ASP、SaaS、サブスクリプション

ASPとSaaSとサブスクリプションが提供形態と課金方式で異なることを示す図解

ASPはApplication Service Providerの略で、ネットワーク経由でアプリケーションを提供するサービス形態を指す従来の用語です。現在はSaaSという言い方が一般的ですが、試験ではASPも依然として出題されます。

整理のポイントは次のとおりです。

したがって、SaaSとサブスクリプションは同義ではありません。SaaSでサブスクリプション課金を採ることは多いですが、片方はサービス提供形態、もう片方は課金方式です。

2020年度第22問では、サブスクリプションをフリーミアムや無料トライアルと区別できるかが問われました。ここでは、利用権に対して継続課金するモデルだと押さえます。

WebサービスとAPI

WebサービスとAPIで複数のシステムが連携する様子を示す図解

Webサービスは、インターネット標準技術を使って、システム同士が機能やデータをやり取りする仕組みです。2010年度第11問のような旧年度問題では、XMLやSOAPを使う形で説明されることがあります。

現在の実務ではREST APIやJSONも広く使われていますが、試験では設問文に合わせて整理する必要があります。

APIは、ソフトウェア同士が機能を呼び出すための接点です。外部の地図、決済、認証、在庫管理などの機能を自社システムへ組み込む場面で使われます。

ここでの区別は次のとおりです。

つまり、SaaSは「使うサービス」、WebサービスやAPIは「つなぐ仕組み」と整理すると混同しにくいです。

ホスティングとハウジング

ホスティングとハウジングで誰がサーバを持つかを比較する図解

ホスティングとハウジングは、外部設備の利用形態を問う定番論点です。誰がサーバを用意するかで切り分けます。

- 事業者が用意したサーバや環境を借ります。 - 利用者は自社で物理サーバを保有しなくて済みます。

- 利用者が所有するサーバをデータセンターに設置します。 - 借りるのは場所、電源、空調、回線などです。

2010年度第21問では、ハウジングを「サーバを借りるサービス」と逆に説明する選択肢が出ました。場所を借りるのがハウジング、環境を借りるのがホスティングと覚えると判定しやすいです。

OSSとライセンス

OSSでソースコード公開とライセンス条件を確認する図解

OSSはOpen Source Softwareの略です。ソースコードが公開され、ライセンス条件に従って利用、改変、再配布できます。

ここで注意したいのは、OSSとFreewareを同一視しないことです。

- ソースコード公開が前提です。 - 改変や再配布の条件がライセンスで定められます。

- 無償利用できることを指すことが多いです。 - ソースコード公開や改変可能までは意味しません。

代表的なライセンス名としては、GPL、BSD License、MIT License、Apache Licenseなどがあります。ただし、試験では細かなライセンス条文よりも、ソースコード公開の有無、ライセンス条件を守る必要があること、無償と自由は別概念であることが問われやすいです。

2021年度第5問や2010年度第4問では、MySQL、Eclipse、Apacheなどを例に、OSSの定義、ライセンス、製品カテゴリの違いが問われました。

責任共有モデル

IaaS、PaaS、SaaSで事業者と利用者の責任分担が変わることを示す図解

クラウドでは、事業者と利用者の責任が自動的に一本化されるわけではありません。どこまでが事業者、どこからが利用者かを分ける考え方が責任共有モデルです。

層で並べると整理しやすいです。

一般的な整理は次のとおりです。

- 事業者: 物理設備、ネットワーク、仮想化基盤 - 利用者: OS、ミドルウェア、アプリケーション、データ

- 事業者: インフラ、OS、実行基盤 - 利用者: アプリケーション、データ

- 事業者: アプリケーションを含むサービス全体の提供 - 利用者: 入力データ、権限設定、利用ルール、法令順守

2024年度第11問では、IaaSならOSやミドルウェアは利用者責任、PaaSなら基盤部分は事業者責任、SaaSでもデータ管理責任は利用者側に残ることが問われました。

さらに重要なのは、設定作業をSIerへ準委任で外部委託しても、最終責任が自動的に委託先へ移るわけではないことです。試験ではこの点がひっかけになりやすいです。

SaaS導入時のSLAと運用責任

SaaS導入でSLA確認と利用者側運用責任を整理する図解

SaaSは「ベンダが全部やってくれる」と誤解されやすいですが、実際には利用者側でも運用責任が残ります。代表例は次のとおりです。

2009年度第17問では、SaaS向けSLAの考え方として、提供者責任と利用者責任を事前に切り分ける重要性が問われました。SLAを見るときは、稼働率の数字だけでなく、次の点も確認します。

この章のまとめ

外部情報資源の活用で見分けるべき論点をまとめて確認する図解

一次試験過去問での出方

2009年度第17問では、SaaS向けSLAの考え方として、提供者と利用者の責任分担をどう事前合意するかが問われました。

2010年度第4問では、OSSとFreewareの違い、ソースコード公開、改変や再配布の可否が問われました。OSSを単なる無料ソフトと誤解しないことが重要です。

2010年度第11問では、ASP、SaaS、Webサービス、PaaSの違いが問われました。提供形態なのか、システム間連携の技術なのかを切り分ける必要があります。

2010年度第21問では、ハウジングやアウトソーシング関連用語が出題され、場所貸しか環境貸しかを逆にしないことがポイントでした。

2021年度第5問では、OSSの代表例とライセンス、製品カテゴリの違いが問われました。製品名を役割まで含めて整理できると強いです。

2024年度第11問では、責任共有モデルが直接問われました。IaaS、PaaS、SaaSで誰がどこまで管理するかを層で並べて判断できるかが得点差になります。