経営情報システム
補助情報処理の形態(集中/分散/並列処理、リアルタイム/バッチ処理等)
処理形態の名称と適用場面を短く整理する。
情報処理の形態
この章で覚えておきたいこと
- 集中処理は、処理資源やデータを中央に集めて扱う形態です。
- 分散処理は、複数のコンピュータに処理やデータを分担させる形態です。
- 並列処理は、複数の処理装置で同時に処理を進めて時間短縮を狙う形態です。
- バッチ処理は、一定量のデータをまとめて後で一括処理する方式です。
- リアルタイム処理は、事象の発生に対して必要な時間内に応答する方式です。
- オンライン処理は、端末やネットワークを通じてシステムに接続しながら処理する形態です。リアルタイム処理と重なることはありますが、同義ではありません。
基本知識
集中処理、分散処理、並列処理の違い
集中処理は、中央のコンピュータやサーバに処理やデータを集めて管理する形態です。管理しやすく、統制を効かせやすい一方で、中央障害の影響が大きくなりやすいです。
分散処理は、複数のコンピュータに処理やデータを分担させる形態です。拠点ごとの業務や負荷に応じて柔軟に構成できますが、データ整合性や運用管理が複雑になりやすいです。
並列処理は、複数のCPUや処理装置で同時に処理を進める考え方です。大量計算や高負荷処理の時間短縮に向きます。分散処理は「どこで処理するか」、並列処理は「同時に進めるか」が焦点なので、観点が異なります。
バッチ処理とリアルタイム処理
バッチ処理は、一定期間に集まったデータをまとめて処理する方式です。給与計算、請求書発行、夜間集計のように、即時応答が不要で一括処理が向く業務に適しています。
リアルタイム処理は、入力や事象の発生に対して短時間で結果を返す方式です。在庫引当、座席予約、ATM、POSの在庫反映のように、遅れが業務へ影響する場面で使われます。
リアルタイム処理は「瞬時にゼロ秒で処理する」という意味ではありません。重要なのは、業務上必要な時間内に応答できることです。
オンライン処理の位置づけ
オンライン処理は、端末やネットワークを通じてシステムに接続しながら処理する形態です。利用者が入力し、その結果を受け取る使い方が典型です。
ただし、オンライン処理だから必ずリアルタイム処理とは限りません。たとえば、受付だけオンラインで行い、集計そのものは夜間バッチで処理する場合もあります。逆に、機器やセンサーからのイベントに対してリアルタイムに制御する処理は、利用者のオンライン操作を前提としないこともあります。
適用場面での見分け方
問題で迷ったら、次の軸で考えると整理しやすいです。
- 処理資源の置き方: 中央に集めるなら集中処理、分担させるなら分散処理です。
- 同時実行の有無: 複数の処理装置で同時に進めるなら並列処理です。
- 処理タイミング: ためてまとめて処理するならバッチ処理、即時性が必要ならリアルタイム処理です。
- 利用形態: 端末やネットワークで接続しながら使うならオンライン処理です。
この章のまとめ
- 集中処理は管理しやすい反面、中央障害の影響が大きくなりやすいです。
- 分散処理は柔軟性がありますが、整合性維持や運用が複雑になりやすいです。
- 並列処理は処理時間短縮の考え方であり、分散処理とは別の軸です。
- バッチ処理は月次集計や請求処理のような一括処理に向きます。
- リアルタイム処理は在庫や予約のように即時性が重要な業務に向きます。
- オンライン処理は接続しながら使う形態であり、リアルタイム処理と完全には一致しません。
- 試験では、どこで処理するか、いつ処理するか、同時に処理するかを分けて考えると誤りにくくなります。
一次試験過去問での出方
2012年度第7問では、バッチ処理、レスポンスタイム、ターンアラウンドタイム、スプールといった関連用語を文脈に当てはめて判断させました。
2013年度第21問では、Web活用や情報提供の文脈に処理形態を重ねて、利用者への応答性や更新タイミングを考えさせる出題でした。
2019年度第6問では、Webコンテンツ運用の説明の中で、集中・分散・バッチ・オンラインといった基本用語を他のIT用語と混同しないかが問われました。
出題数は多くありませんが、処理形態は性能指標、システム構成、運用設計の問題とつながって出ることがあります。名称だけでなく、どの業務に向くかまで短く言える状態にしておくと安全です。