中小企業経営・中小企業政策
最優先商業・地域サポート(中心市街地活性化、商店街振興)
中心市街地活性化、商店街振興、地域商業支援の計画主体と支援対象を厚く扱う。
商業・地域サポート
この章で覚えておきたいこと
- 中心市街地活性化 は、市町村が基本計画を作成 し、内閣総理大臣が認定 します。
- 商店街振興 は、商店街等の共同事業 と 地域環境の整備改善 を支える制度です。
- 高度化事業 は、中小機構と都道府県が一体で支援 し、組合等の共同投資 を後押しします。
- 地域未来投資促進法 は、都道府県の基本計画 に沿って、事業者が 地域経済牽引事業計画 の 承認 を受ける制度です。
- 流通業務総合効率化法 は、2以上の者の連携、総合効率化計画、物流効率化 で見分けます。
- この分野は、制度名だけではなく 主体、計画名、認定主体、支援内容 を一組で暗記します。
基本知識
中心市街地活性化は「市街地全体」を立て直す施策です
中心市街地活性化は、商店街単独ではなく、中心市街地全体の都市機能の増進と経済活力の向上 をまとめて進める制度です。試験では、誰が基本計画を作るか と 誰が認定するか が最重要です。
「中心市街地の活性化に関する法律(平成10年法律第92号)」に基づき設けられた認定制度は、市町村 が、地域住民、関連事業者等の様々な主体の参加・協力を得て、自主的・自立的な取組を内容とする中心市街地の活性化に関する施策を総合的かつ一体的に推進するための 基本的な計画 を作成し、内閣総理大臣 がその認定を行い、政府は認定を受けた基本計画に基づく事業及び措置に対して集中的かつ効果的に支援を実施するもの。
出典: 国土交通省中部地方整備局「中心市街地活性化基本計画」 https://www.cbr.mlit.go.jp/kensei/machi_seibika/tyuusinsigaiti.htm
中心市街地における 都市機能の増進 及び 経済活力の向上 を総合的かつ一体的に推進するため、内閣に中心市街地活性化本部を設置するとともに、市町村が作成する基本計画の内閣総理大臣による認定制度を創設、様々な支援策を重点的に講じていくこととし、また、地域が一体的にまちづくりを推進するための 中心市街地活性化協議会 の法制化等の措置を講じることとした。
出典: 国土交通省中部地方整備局「中心市街地活性化基本計画」 https://www.cbr.mlit.go.jp/kensei/machi_seibika/tyuusinsigaiti.htm
この見出しで暗記することは次の4点です。
- 主体: 市町村
- 計画名: 基本計画
- 認定主体: 内閣総理大臣
- 支援内容: 認定基本計画に基づく事業と措置を政府が集中的・効果的に支援
さらに、中心市街地活性化協議会 は、基本計画の作成や実施を後押しする推進体制として出題されます。単なる任意の会合ではなく、法制化された枠組みとして覚えます。
商店街振興は「商店街等の共同事業」を支える施策です
商店街振興は、個店1店の支援ではなく、商店街等が協同して行う経済事業や環境整備事業 を支える制度です。試験では、アーケードや街路灯のような 共同施設 と、商店街が地域コミュニティの担い手になる点が狙われます。
この法律は、商店街が形成されている地域 において小売商業又はサービス業に属する事業その他の事業を営む者等が 協同して経済事業 を行なうとともに当該地域の 環境の整備改善 を図るための事業を行なうのに必要な組織等について定めることにより、これらの事業者の事業の健全な発展に寄与し、あわせて 公共の福祉の増進 に資することを目的とする。
出典: e-Gov法令検索「商店街振興組合法」 https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=337AC1000000141
この見出しで暗記することは次の4点です。
- 主体: 商店街振興組合、商店街振興組合連合会、商店街組織など
- 計画名: 商店街等の共同事業が中心で、個店単独計画ではない
- 認定主体: 組合法そのものは組織法であり、まずは組合・共同事業の制度だと覚える
- 支援内容: アーケード、街路灯、広場、駐車場、共同店舗、コミュニティ施設などの共同施設や共同事業
試験でのひっかけは、観光振興一般 や 個店の設備投資 に読み替える選択肢です。商店街振興は、あくまで 商店街全体 の共同事業を支える制度だと整理します。
商店街支援では事業主体の違いを必ず確認します
商店街関係の問題は、事業名そのものより 誰が事業主体か が問われます。ここで整理が崩れると、商店街振興、高度化事業、第三セクター支援を混同します。
高度化事業は、中小企業者が組合などを設立 して工場団地・卸団地、ショッピングセンターなどを建設する事業や 第3セクターや商工会など が地域の中小企業者を支援する事業に対し、資金及びアドバイスの両面から中小機構と都道府県が一体となって支援する制度です。
出典: 中小機構「高度化事業とは」 https://kodoka.smrj.go.jp/about/
この見出しでは、次の切り分けを暗記します。
- 商店街組織・商店街振興組合: 商店街等の共同事業
- 事業協同組合などの組合: 共同投資、共同施設整備、高度化事業
- 第三セクター: 公共性が高い整備や地域全体を巻き込む事業
過去問では、第三セクターが実施主体となる事業を選ばせる問題が出ています。制度名ではなく事業主体で切る のが得点の近道です。
高度化事業は組合等の共同投資を支える制度です
高度化事業は、中小企業組合等の共同施設整備や共同投資 を支える制度です。試験では、主体、貸付割合80%、最長20年、設備資金 が頻出です。
高度化事業は、中小企業者が組合などを設立 して工場団地・卸団地、ショッピングセンターなどを建設する事業や第3セクターや商工会などが地域の中小企業者を支援する事業に対し、資金及びアドバイスの両面から 中小機構と都道府県が一体 となって支援する制度です。
出典: 中小機構「高度化事業とは」 https://kodoka.smrj.go.jp/about/
貸付対象者: 中小企業組合など
貸付期間: 最長20年以内
貸付割合: 原則、貸付対象事業費の80%まで
貸付対象施設: 土地、建物、構築物、設備出典: 中小機構「高度化事業とは」 https://kodoka.smrj.go.jp/about/
この見出しで暗記することは次の4点です。
- 主体: 中小企業組合など
- 計画名: 高度化事業計画
- 認定主体: 中小機構と都道府県が一体で支援
- 支援内容: 設備資金の貸付、診断助言、長期・低利、要件次第で無利子
特に、高度化事業は中小企業単体ではなくグループ支援 だという点を落とさないでください。
地域未来投資促進法は「都道府県の基本計画」と「地域経済牽引事業計画」で見分けます
地域未来投資促進法は、地域の特性を生かし、地域に波及効果をもたらす事業を支援する制度です。試験では、都道府県知事の承認 と 地域経済牽引事業計画 のセットが最重要です。
「地域未来投資促進法」は、地域の特性を生かして、高い付加価値を創出し、地域の事業者に対する相当の経済的効果を及ぼす 地域経済牽引事業 を促進することを目的とする法律です。
市町村・都道府県が作成した 基本計画 に基づき事業者が作成する 地域経済牽引事業計画 を、都道府県知事 が承認します。出典: 経済産業省「地域未来投資促進法」 https://www.meti.go.jp/policy/sme_chiiki/chiikimiraitoushi.html
この見出しで暗記することは次の4点です。
- 主体: 事業者
- 計画名: 地域経済牽引事業計画
- 認定主体: 都道府県知事による承認
- 支援内容: 税制、金融、規制特例、予算事業での支援
混同しやすいのは、基本計画を作るのは市町村・都道府県側、承認を受ける個別計画を作るのは事業者側 という役割分担です。ここを逆にしないことが最優先です。
流通業務総合効率化法は「総合効率化計画」と共同物流で見分けます
流通業務総合効率化法は、共同物流、物流拠点整備、情報システム導入などで 物流の省力化・効率化 を進める制度です。試験では、2以上の者の連携、総合効率化計画、物流効率化 を見たらこの制度を疑います。
国土交通省では、昨今の物流分野における労働力不足や荷主や消費者ニーズの高度化・多様化による多頻度小口輸送の進展等に対応するため、同法に基づき、「2以上の者の連携」 による流通業務の省力化及び物資の流通に伴う環境負荷の低減を図るための 物流効率化 の取組を支援しています。
出典: 国土交通省「物流効率化法に基づく支援」 https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/bukkouhou.html
物資の流通の効率化に関する法律第6条第1項の規定により、下記の 総合効率化計画 について認定を受けたいので申請します。
出典: 国土交通省「物流効率化法『総合効率化計画』認定申請の手引き」 https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001881114.pdf
中小企業が流通業務総合効率化事業に必要な資金調達に関して、投資対象となる株式会社の要件が緩和され、資本金が3億円を超える中小企業 についても対象となります。
出典: 国土交通省「物流の効率化に向けた取組を」 https://www.mlit.go.jp/seisakutokatsu/freight/content/001734796.pdf
この見出しで暗記することは次の4点です。
- 主体: 2以上の者が連携する物流事業者、荷主、組合等
- 計画名: 総合効率化計画
- 認定主体: 主務大臣による認定
- 支援内容: 物流拠点整備、共同物流、物流DX、税制・金融等の支援
過去問では、80%までの無利子融資 や 資本金3億円 の特例も論点になりました。数字だけを単独で覚えず、流通業務総合効率化法の文脈の数字 として覚えてください。
この分野は「主体」と「計画名」を縦に整理すると崩れません
この章は、制度名を横に並べるだけでは崩れます。主体 → 計画名 → 認定主体 → 支援内容 の順で縦に再現できる状態にしてください。
- 中心市街地活性化
- 主体: 市町村
- 計画名: 基本計画
- 認定主体: 内閣総理大臣
- 支援内容: 認定基本計画に基づく集中的支援
- 商店街振興
- 主体: 商店街振興組合等
- 計画名: 商店街等の共同事業
- 認定主体: 組織法・共同事業の制度として把握
- 支援内容: 共同施設、地域環境整備、コミュニティ機能強化
- 高度化事業
- 主体: 中小企業組合など
- 計画名: 高度化事業計画
- 認定主体: 中小機構と都道府県
- 支援内容: 設備資金、80%、20年、診断助言
- 地域未来投資促進法
- 主体: 事業者
- 計画名: 地域経済牽引事業計画
- 認定主体: 都道府県知事
- 支援内容: 税制、金融、規制特例
- 流通業務総合効率化法
- 主体: 2以上の者の連携
- 計画名: 総合効率化計画
- 認定主体: 主務大臣
- 支援内容: 共同物流、物流拠点整備、物流DX、税制・金融支援
最後は、制度名を隠しても 主体と計画名から答えられるか を確認してください。
この章のまとめ
- 中心市街地活性化は 市町村の基本計画 と 内閣総理大臣の認定 が最重要です。
- 商店街振興は 商店街等の共同事業 と 地域環境の整備改善 を支える制度です。
- 商店街関係の施策は、誰が事業主体か で読み分けます。
- 高度化事業は 中小企業組合など を対象に、80%、最長20年、設備資金 を支援する制度です。
- 地域未来投資促進法は 事業者の地域経済牽引事業計画を都道府県知事が承認 する制度です。
- 流通業務総合効率化法は 2以上の者の連携、総合効率化計画、共同物流 で見分けます。
- この章は、主体、計画名、認定主体、支援内容 を一組で再現できれば得点しやすくなります。
一次試験過去問での出方
- 中心市街地活性化では、市町村が基本計画を作成し、内閣総理大臣が認定すること と 中心市街地活性化協議会 が問われました。
- 商店街施策では、商店街全体の共同事業 なのか、第三セクター等が担う公共性の高い事業 なのかを切り分ける問題が出ています。
- 高度化事業では、中小機構と都道府県、設備資金、80%、20年 が頻出です。
- 地域未来投資促進法では、都道府県知事による承認 と 地域経済牽引事業計画 の対応がそのまま問われます。
- 流通業務総合効率化法では、総合効率化計画、共同物流、2以上の者の連携、関連する 80% や 資本金3億円 の数字がひっかけ候補になります。