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中小企業支援事業の実施体制

この章で覚えておきたいこと

国、自治体、中小機構、商工会議所、中央会、事業承継支援の役割を一枚で整理した図解

基本知識

支援機関の役割分担の全体像

制度設計を行う国と、現場支援を担う自治体や中小機構の役割分担を示す図解

最初に、支援体制を 行政の受け皿、相談窓口、専門家認定制度 に分けて整理します。

都道府県等中小企業支援センターについては、中小企業支援法に明文があります。

都道府県知事は、次の各号に適合する者を、その申請により、当該都道府県に一を限つて指定し、その者(以下「指定法人」という。)に、当該都道府県が行う中小企業支援事業のうち特定支援事業を行わせることができる。

一 申請者が一般社団法人又は一般財団法人であること。

二 申請者が当該特定支援事業を適正かつ確実に実施することができると認められる者であること。

三 申請者が次条第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者でないこと。

出典: e-Gov 法令検索 中小企業支援法 第7条第1項

https://laws.e-gov.go.jp/law/338AC0000000147

この条文から、まず次を暗記します。

2021年度のように支援機関の役割分担が問われるときは、都道府県の受け皿制度なのか、日常の相談窓口なのかを先に切り分けると安定します。

商工会議所、商工会、よろず支援拠点の使い分け

商工会議所、商工会、よろず支援拠点の相談場面と違いを比較した図解

商工会と商工会議所は、どちらも身近な支援機関ですが、地区の考え方が違います。

商工会は、その地区内における商工業の総合的な改善発達を図り、あわせて社会一般の福祉の増進に資することを目的とする。

出典: e-Gov 法令検索 商工会法 第3条

https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000089

商工会の地区は、一の町村の区域とする。 ただし、商工業の状況により必要があるときは、一の市又は二以上の市町村の区域とすることができる。

2 商工業の状況により、特に必要があるときは、前項の規定にかかわらず、市町村の区域の一部を商工会の地区の全部又は一部とすることができる。

3 商工会の地区は、他の商工会の地区又は商工会議所の地区と重複するものであつてはならない。

出典: e-Gov 法令検索 商工会法 第7条

https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000089

商工会議所は、その地区内における商工業の総合的な改善発達を図り、兼ねて社会一般の福祉の増進に資することを目的とする。

出典: e-Gov 法令検索 商工会議所法 第6条

https://laws.e-gov.go.jp/law/328AC1000000143

商工会議所の地区は、市(都の区のある地域においては、そのすべての区を合わせたもの。以下同じ。)の区域とする。 ただし、商工業の状況により必要があるときは、町の区域又は市と市町村若しくは町と町村を合わせたものの区域とすることができる。

2 前項ただし書の区域のうち、町の区域又は町と町村を合わせた区域は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第八条第一項第一号から第三号までに掲げる要件を備えたものでなければならない。 ただし、商工業の状況により、特に必要があるときは、この限りでない。

3 商工業の状況により、特に必要があるときは、第一項及び前項本文の規定にかかわらず、市町村の区域の一部を商工会議所の地区の全部又は一部とすることができる。 ただし、一又は二以上の村の区域の一部を商工会議所の地区の全部とすることはできない。

4 商工会議所の地区は、他の商工会議所の地区又は商工会の地区と重複するものがあつてはならない。

出典: e-Gov 法令検索 商工会議所法 第8条

https://laws.e-gov.go.jp/law/328AC1000000143

試験対策では、細かな制度差を深掘りするより次の形で十分です。

よろず支援拠点は別枠で、無料の総合相談窓口です。

「国が全国に設置した無料の経営相談所」

出典: よろず支援拠点全国本部 事業紹介

https://yorozu.smrj.go.jp/about/

ここで必ず覚える語句は 無料、総合相談、全国に設置 です。

中小機構、中央会、認定支援機関の違い

中小機構、中央会、認定経営革新等支援機関の支援対象と役割の違いを整理した図解

認定経営革新等支援機関は、窓口ではなく認定制度です。

「税務、金融及び企業財務に関する専門的知識」

出典: 中小企業庁 認定経営革新等支援機関

https://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kakushin/nintei/

この制度は、税理士、公認会計士、中小企業診断士、金融機関などを支援の担い手として認定する仕組みです。ここで覚えるべき語句は 専門的知識 と 認定制度 です。

一方、中小機構は政策実施側の中核機関です。

「中小企業者への助言、高度化事業」

出典: 中小企業基盤整備機構 プロフィール

https://www.smrj.go.jp/org/about/profile/index.html

ここから次の語句をまとめて覚えます。

中央会は、これとは別に 組合支援 の専門機関です。問題で組合向け補助事業や組合の設立・運営支援が出たら中央会を疑います。

事業承継・引継ぎの支援体制

事業承継・引継ぎ支援センターと後継者人材バンクの支援の流れを示した図解

事業承継・引継ぎ支援センターは、事業承継の公的相談窓口です。

「国が47都道府県に設置している公的な相談窓口」

出典: 中小企業基盤整備機構 事業承継・引継ぎ支援センターとは

https://shoukei.smrj.go.jp/about/

後継者人材バンクは、その中でも第三者承継のマッチングを担う仕組みです。

「後継者不在の企業と起業を希望する人材とのマッチング」

出典: 中小企業基盤整備機構 第三者承継支援

https://shoukei.smrj.go.jp/third_party_inherited_support.html

したがって、ここは次の二段で覚えます。

事業協同組合の判定軸

事業協同組合の共同購買や共同物流と一人一票の原則を整理した図解

事業協同組合では、根拠法、発起人数、議決権の3点が頻出です。

事業協同組合、事業協同小組合、信用協同組合又は企業組合を設立するには、その組合員(企業組合にあつては、特定組合員以外の組合員)になろうとする四人以上の者が、協同組合連合会を設立するには、その会員になろうとする二以上の組合が発起人となることを要する。

2 信用協同組合は、三百人以上の組合員がなければ設立することができない。

出典: e-Gov 法令検索 中小企業等協同組合法 第24条

https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000181

組合員は、各々一個の議決権及び役員又は総代の選挙権を有する。

2 組合員は、定款の定めるところにより、第四十九条第一項の規定によりあらかじめ通知のあつた事項につき、書面又は代理人をもつて、議決権又は選挙権を行うことができる。 この場合は、その組合員の親族若しくは使用人又は他の組合員でなければ、代理人となることができない。

3 組合員は、定款の定めるところにより、前項の規定による書面をもつてする議決権の行使に代えて、議決権を電磁的方法(電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて主務省令で定めるものをいう。第三十三条第四項第三号を除き、以下同じ。)により行うことができる。

4 前二項の規定により議決権又は選挙権を行う者は、出席者とみなす。

5 代理人は、五人以上の組合員を代理することができない。

6 代理人は、代理権を証する書面を組合に提出しなければならない。 この場合において、電磁的方法により議決権を行うことが定款で定められているときは、当該書面の提出に代えて、代理権を当該電磁的方法により証明することができる。

出典: e-Gov 法令検索 中小企業等協同組合法 第11条

https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000181

したがって、事業協同組合は次の形で暗記します。

企業組合、協業組合、LLPの判定軸

企業組合、協業組合、LLPの事業主体や法人格の違いを比べた図解

企業組合は、組合自体が事業主体です。

企業組合は、商業、工業、鉱業、運送業、サービス業その他の事業を行うものとする。

出典: e-Gov 法令検索 中小企業等協同組合法 第9条の10

https://laws.e-gov.go.jp/law/324AC0000000181

LLPは、次の3語で即答できるようにします。

「法人格を持たない組織」

出典: 経済産業省 LLP制度の概要

https://www.meti.go.jp/policy/economy/keiei_innovation/keizaihousei/llp-lps/llp_seido.html

経済産業省の同ページでは、構成員全員が有限責任、構成員課税 も示されています。したがって、暗記する語句は次の3つです。

協業組合は、組合員の事業の全部または一部を協業化する制度として整理すれば十分です。

組合向け支援施策の見分け方

組合向け補助事業と中央会・中小機構・都道府県の関わりを示した図解

組合向け施策では、支援主体まで含めて覚えます。2023年度第2回と2024年度では、組合制度そのものだけでなく、中央会 や 共同物流支援 まで含めて問われました。

ここでは細かな金額暗記よりも、次の骨格を先に固定します。

この章のまとめ

支援機関と組合制度を見分ける判断軸をまとめた図解

一次試験過去問での出方

2021年度第21問では、認定経営革新等支援機関と支援機関ネットワークの考え方が問われました。窓口なのか認定制度なのかを切り分ける力が必要です。

2023年度第2回第19問と2024年度第21問では、事業協同組合、企業組合、中央会、共同物流支援まで含めて、組合制度と支援主体の対応 が狙われました。

2016年度第28問、2018年度第15問では、事業承継・引継ぎ支援センターと後継者人材バンクが問われました。相談窓口名とマッチング機能を一緒に覚える必要があります。

2007年度第19問、2011年度第19問、2014年度第24問では、LLPの 法人格なし・全員有限責任・構成員課税 が繰り返し問われました。

引用元