経営情報システム
最優先ハードウェア(構成要素(プロセッサ、メモリ、入出力デバイス等)、機能と処理)
CPU、メモリ、補助記憶、入出力装置、処理方式を最優先で扱う。
この章で覚えておきたいこと
- CPUは制御装置と演算装置 が中心で、命令の解読と演算を担当します。
- 主記憶は作業場所、補助記憶は保存場所 と切り分けます。
- DRAMは主記憶向き、SRAMはキャッシュ向き、フラッシュメモリは不揮発 が基本です。
- USB Type-C は コネクタ形状 であり、通信速度、給電、映像出力の全対応を意味しません。
- RFID は 電波で読む技術、QRコードは 光学的に読む二次元コード です。
- 静電容量方式と赤外線方式のタッチパネルは、検出原理が違う ことを最優先で押さえます。
- RAID0 と RAID1、SAN と NAS は、同じ階層の用語だけを比べます。
- スワッピング、キャッシュ、スプーリング、コンパクションは、何を一時保存して何を改善するか で見分けます。
基本知識
コンピュータの五大装置
コンピュータは、入力装置、記憶装置、演算装置、制御装置、出力装置で構成されます。試験では名称暗記よりも、処理の流れに当てはめられるかが問われます。
流れを文章で整理すると、入力されたデータや命令を主記憶装置に置き、制御装置が命令を解読し、演算装置が計算し、結果を主記憶装置へ戻して必要に応じて出力します。したがって、演算結果を一時的に置く場所は主記憶装置 です。
補助記憶装置は長期保存のための場所です。HDD、SSD、USBメモリ、光ディスクは補助記憶であり、実行中の作業領域そのものではありません。
CPU、主記憶、半導体メモリ
CPUの性能はクロック周波数だけでは決まりません。クロック周波数は動作のテンポを示しますが、CPI、キャッシュ、コア数、メモリ帯域の影響も受けます。試験では CPIは小さいほど効率がよい、MIPS と FLOPS は処理量の指標である、と整理しておくと切りやすくなります。
主記憶には一般に DRAM が使われます。DRAM は大容量化しやすい反面、リフレッシュが必要です。SRAM は高速ですが高価で大容量化に向かないため、キャッシュメモリ向きです。
フラッシュメモリは 電気的に消去・書換えできる不揮発性メモリ です。NAND 型は SSD や USB メモリなどの大容量記憶向き、NOR 型は読出し中心でファームウェア格納向き、という対比を押さえます。
仮想記憶と高速化の仕組み
仮想記憶は、補助記憶装置の一部を主記憶の延長のように使う仕組みです。主記憶と補助記憶の間でデータを入れ替える処理が スワッピング です。過度に増えると入出力待ちが増え、体感速度が落ちます。
キャッシュ は、よく使うデータを高速な記憶領域へ置いて平均アクセス時間を短くする仕組みです。CPU キャッシュ、ディスクキャッシュ、Web キャッシュは対象が違っても発想は同じです。
スプーリング は、プリンタのような低速装置への出力をいったんためて順次処理する仕組みです。コンパクション は、主記憶上の断片化した空き領域を整理する処理です。名前が似ていても目的は別です。
補助記憶とストレージ構成
HDD は磁気ディスク、SSD はフラッシュメモリを使う補助記憶装置です。SSD は機械的な回転部品がないためアクセス時間が短く、OS 起動やアプリ起動の高速化に向きます。
RAID0 はストライピングで高速化を狙いますが冗長性はありません。RAID1 はミラーリングで可用性を高めます。ここは 高速化か冗長化か で切り分けます。
SAN はストレージ専用ネットワーク、NAS は LAN 上でファイル共有として使うストレージです。RAID がディスクの管理方式で、SAN や NAS が接続形態である点を混同しないことが重要です。
周辺機器インタフェース
2023年度第2次や2025年度では、周辺機器の接続規格が直接問われました。USB は汎用周辺機器向けのシリアルインタフェースで、ホットプラグに対応します。
USB Type-C は上下どちらでも挿せる コネクタ形状 です。ここに USB 2.0、USB 3.2、USB4 などの通信規格や、USB Power Delivery の給電、DisplayPort Alt Mode などの映像出力が組み合わさります。したがって、Type-C だから高速通信も高出力給電も映像出力も必ず可能 という選択肢は誤りです。
e-SATA は外付けストレージ向けの Serial ATA です。DVI、HDMI、DisplayPort は映像出力系のインタフェースです。用途の違う規格を同列に混ぜた選択肢がよく出ます。
表示、入力、識別の技術
タッチパネルでは、静電容量方式は指先などによる電気的変化を捉え、赤外線方式は赤外線が遮られた位置で座標を検出します。2024年度ではこの検出原理の入れ替えがそのまま問われました。
RFID は電波でタグを読み取る技術で、複数タグの一括読取りができます。QRコードは光学的に読む二次元コードで、誤り訂正機能を持ちます。3個の検出用シンボルは QR コード側の特徴 です。
液晶ディスプレイでは、TN 方式と IPS 方式の特徴差も問われます。試験で深い物理までは要りませんが、視野角や色再現性の違いをざっくり説明できる状態が望ましいです。
計算誤差
整数型の加減算は、表現可能範囲内なら正確に行えます。一方、浮動小数点は 2 進数で表せない小数を含むため、丸め誤差が生じます。近い値同士の減算で有効桁が失われる現象が 桁落ち です。
この論点は頻度こそ高くありませんが、ハードウェアとデータ型をまたぐ基礎論点として繰り返し見直す価値があります。
この章のまとめ
- ハードウェア問題は、まず CPU、記憶、入出力、処理方式 のどの層の話かを決めると切りやすくなります。
- 主記憶と補助記憶、DRAM と SRAM、RAID0 と RAID1、SAN と NAS のように、似た用語は 役割の違い で区別します。
- USB Type-C、RFID、タッチパネルのような近年論点は、名前だけでなく 形状、方式、用途 を分けて覚えると強いです。
- スワッピング、キャッシュ、スプーリング、コンパクションは、何をためて何を改善するか で説明できるようにします。
- 初見の規格が出ても、接続対象、シリアルかどうか、ホットプラグ可否、電源断後の保持可否などに戻れば正誤判定しやすくなります。
一次試験過去問での出方
2007年から継続的に出題され、2023年度第2次では e-SATA、SCSI、USB、DVI の用途と接続方式、2023年度第2次第7問では RFID と QRコード、2024年度第1問ではタッチパネルの検出原理、2025年度第1問では USB と USB Type-C、Power Delivery、映像出力対応の切り分けが問われました。古典論点の CPU・主記憶・半導体メモリに加えて、近年は 周辺機器インタフェースと識別技術 が得点差になっています。