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財務サポート

この章で覚えておきたいこと

税制優遇と補助金を切り分けながら、財務サポートの全体像を整理した手書き風図解

基本知識

税制優遇と補助金は入口で切り分ける

税制優遇と補助金を、税の軽減と後払い支給の違いで比較した手書き風図解

中小企業向け「賃上げ促進税制」は、青色申告書を提出している中小企業者等が、一定の要件を満たした上で、前年度より給与等の支給額を増加させた場合、その増加額の一部を法人税(個人事業主は所得税)から税額控除できる制度です。

本事業は、中小企業・小規模事業者等の取引のデジタル化による労働生産性向上及びインボイス制度への対応を促進するために、取引関係における発注者の費用負担によって導入されるITツールの費用の一部を補助するものです。

出典:

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/syotokukakudai.html

https://www.it-hojo.jp/r04/doc/pdf/r4_application_guidelines_shoryu.pdf

税制優遇は、税負担を軽くする制度です。補助金は、採択後に補助対象経費の一部が支給される制度です。試験では、次の3つに分けて読むと整理しやすいです。

補助金は、税金を軽くする制度ではありません。申請、採択、交付決定、事業実施、実績報告を経て支給されるため、原則として後払いです。したがって、選択肢で「補助金なのに税額控除の説明になっている」「税制なのに補助率の話になっている」ときは誤りだと判断できます。

中小企業向け賃上げ促進税制

賃上げ率と子育て両立・女性活躍支援の上乗せから税額控除率を整理した手書き風図解

中小企業向け賃上げ促進税制は、中小企業者等が、前年度より給与等を増加させた場合に、その増加額の一部を法人税(個人事業主は所得税)から税額控除できる制度です。

令和8年4月1日から令和9年3月31日までの間に開始する事業年度が対象です。

中小企業向けは、全雇用者の給与等支給額が前年度比 +1.5% で 15% 、 +2.5% で 30% の税額控除率です。

くるみん以上 又は えるぼし二段階目以上 で税額控除率を 5%上乗せ します。中小企業は、控除しきれなかった金額の 5年間の繰越し が可能です。

出典:

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/syotokukakudai.html

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/syotokukakudai/chinnagesokushin_pamphlet.pdf

この制度は、税額控除 である点が最重要です。損金算入ではありません。したがって、まず 1.5%で15%控除 、 2.5%で30%控除 を即答できるようにします。

次に、令和8年度改正後の現行制度として、上乗せ要件と繰越しを固定します。

令和6年4月1日から令和8年3月31日までに開始した事業年度向けの旧制度では、教育訓練費による10%上乗せがありました。しかし、令和8年度改正後の現行制度では教育訓練費10%上乗せは廃止され、現行要件として扱いません。古い過去問では出題時点の旧制度、新しい問題では現行制度と分けて判断します。

中小法人等の法人税率軽減措置と交際費等の特例

法人税率軽減措置と交際費等の特例を、対象基準と数字で比較した手書き風図解

中小法人等に対しては軽減税率の特例措置(所得金額のうち年800万円以下の金額に対する税率:19%→15%)が適用されます。

資本金の額が1億円以下の普通法人などは、中小企業向けの各措置(法人税の軽減税率の特例措置や、支出した交際費等の額のうち一定の金額を損金の額に算入することができる特例措置等)を適用することができます。

中小法人については、接待飲食費の額の50%相当額の損金算入と交際費等の額のうち年800万円(定額控除限度額)までの損金算入を選択適用できます。

出典:

https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/hojin/shinkoku/itiran2025/pdf/f02-01.pdf

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/aramashi2022/pdf/03.pdf

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hojin/settai_faq/01.htm

この論点では、税法上の資本金基準 をそのまま暗記します。中小企業基本法の定義とは別物です。まず次の3つを基本形として押さえます。

ただし、現行制度では例外もあります。前3事業年度の所得金額の平均額が15億円を超える 適用除外事業者 は、年800万円以下部分も 19% です。また、令和7年4月1日以後に開始する事業年度で所得金額が年10億円を超える中小法人は、年800万円以下部分の税率が 17% になります。

交際費等の特例は、次の2択を混同しないことが得点差になります。

この2つは、同時適用ではなく 選択適用 です。空欄補充や正誤判定では、次が狙われやすいです。

先端設備等導入計画

市町村認定と労働生産性の計算式を中心に、先端設備等導入計画を整理した手書き風図解

第五十二条 同意導入促進基本計画に基づく先端設備等の導入をしようとする中小企業者は、その実施しようとする先端設備等導入に関する計画を作成し、経済産業省令で定めるところにより、その導入する先端設備等の所在地を管轄する特定市町村に提出して、その認定を受けることができる。

4 特定市町村は、第一項の認定の申請があった場合において、その先端設備等導入計画が次の各号のいずれにも適合すると認めるときは、その認定をするものとする。

一 基本方針及び当該特定市町村の同意導入促進基本計画に適合するものであること。

二 当該先端設備等導入計画に係る先端設備等導入が円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。

計画期間において、基準年度比で労働生産性が年平均3%以上向上すること

(営業利益+人件費+減価償却費)÷労働投入量

出典:

https://laws.e-gov.go.jp/law/411AC0000000018

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/zeisei/tokurei/kotei_shisan.html

先端設備等導入計画は、誰が認定するか と どの数字が要件か をそのまま覚える論点です。

試験では、認定主体を国や都道府県に変えるひっかけが出ます。ここは 特定市町村に提出して認定 と条文どおりに覚えます。

また、税制面では固定資産税の特例と一緒に問われやすいです。したがって、暗記は次の形で十分です。

デジタル化・AI導入補助金(旧・IT導入補助金)

通常枠と複数社連携枠、主な対象ITツールをまとめた手書き風図解

デジタル化・AI導入補助金は、中小企業・小規模事業者等の労働生産性の向上を目的として、業務効率化やDX等に向けた ITツール(ソフトウェア、サービス等)の導入を支援する補助金です。

補助金申請者(中小企業・小規模事業者等のみなさま)は、デジタル化・AI導入補助金事務局に登録されたIT導入支援事業者とパートナーシップを組んで申請することが必要となります。※複数者連携デジタル化・AI導入枠を除きます。

出典:

https://it-shien.smrj.go.jp/about/

通常枠

補助率 1/2以内、2/3以内

5万円以上150万円未満

150万円以上450万円以下

出典:

https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/normal/

複数者連携デジタル化・AI導入枠

補助対象者

商工団体等、まちづくり会社・DMO等、複数の中小企業・小規模事業者等により形成されるコンソーシアム

出典:

https://it-shien.smrj.go.jp/applicant/subsidy/digitalbased_multiple_companies/

現在の正式名称は デジタル化・AI導入補助金 です。したがって、今後の学習では新名称で覚えます。ただし、過去問では IT導入補助金 の名称で出ているので、旧称も切り離さず残します。

最新制度でまず覚えるべきことは次の3つです。

そのうえで、試験対策として数字を2段で整理します。

- 通常枠 1/2以内 - 一定の賃金要件を満たす場合 2/3以内 - 補助額は 5万円以上150万円未満 と 150万円以上450万円以下

- 通常枠2分の1以内 - 10者以上 - 会計・受発注・決済・EC

ここでの重要な変更点は、旧来の「複数社連携枠」を単純に 10者以上 とだけ覚えるのでは足りず、現在は 複数者連携デジタル化・AI導入枠 という名称になり、対象者も 商工団体等、まちづくり会社・DMO等、コンソーシアム へ広がっていることです。

したがって、暗記の優先順位は次のとおりです。

1. 現在の名称は デジタル化・AI導入補助金 2. 現在の通常枠は 1/2以内 が基本 3. 過去問では旧称 IT導入補助金、かつ 10者以上 の論点が出る

正誤判定では次を落とさないことが重要です。

事業承継税制

贈与税・相続税、法人版と個人版の対象資産、特例承継計画をまとめた手書き風図解

法人版事業承継税制は、後継者である受贈者・相続人等が、円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において、その非上場株式等に係る贈与税・相続税について、一定の要件のもと、その納税を猶予し、後継者の死亡等により、納税が猶予されている贈与税・相続税の納付が免除される制度です。

対象株式数の上限を撤廃し、猶予割合を100%に拡大することで、承継する株式にかかる贈与税・相続税のすべてが納税猶予の対象となりました。

これまでは、先代経営者一人から後継者一人への贈与・相続のみが対象でしたが、特例措置では、親族外を含むすべての株主から、代表者である後継者(最大3人)への贈与・相続が対象になりました。

事業承継税制(特例)の適用を受けるためには、平成30年4月1日から令和9年9月30日までに特例承継計画を都道府県庁に提出し、確認を受ける必要があります。

個人事業者の事業承継を促進するため、10年間限定で、多様な事業用資産の承継に係る相続税・贈与税を100%納税猶予する「個人版事業承継税制」が創設されました。

出典:

https://www.nta.go.jp/publication/pamph/jigyo-shokei/houjin.htm

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_enkatsu_zouyo_souzoku.html

https://www.chusho.meti.go.jp/zaimu/shoukei/shoukei_kojin_ninntei.html

事業承継税制は、税率軽減 ではなく 納税猶予 です。ここで覚えるべき語句ははっきりしています。

この論点は名称の似た計画を混ぜる問題が多いです。したがって、経営発達支援計画 や 経営改善計画 ではなく、特例承継計画 と固定して覚えます。

この章のまとめ

税制優遇、補助金、設備投資、IT導入、事業承継の確認ポイントをまとめた手書き風図解

一次試験過去問での出方

2025年は、このテーマの重要論点がまとまって出題されました。第24問で賃上げ促進税制の控除対象と控除率、第27問で交際費等の損金算入特例、第30問で事業承継税制の税目と特例措置が問われています。直近年度では、制度名だけでなく数字まで答えさせる傾向が明確です。

2023_1年は、第24問で先端設備等導入計画の認定主体と労働生産性の式、第25問で旧称の IT導入補助金 の補助率と連携要件、第26問で中小法人等の法人税率軽減措置、第27問で法人版事業承継税制の特例承継計画と特例措置の拡充内容が出題されました。制度の比較問題として非常に学びやすい年度です。

2022年は、第19問で賃上げ促進税制の教育訓練費増加要件、第25問で交際費等の損金算入特例が問われました。教育訓練費10%上乗せは旧制度の出題として扱い、令和8年度改正後の現行制度では子育て・女性活躍5%上乗せと5年間繰越しを優先して確認します。

この分野は、条文暗記だけでなく、税額控除か、損金算入か、納税猶予か を見抜く力が問われます。過去問演習では、制度名と数字を一対で声に出して確認すると定着しやすいです。

引用元